カナダ雇用統計に注目! 中国が12日に追加景気刺激策発表?
2024/10/11 09:14
【ポイント】
・カナダ雇用統計でBOCの大幅利下げ観測が強まるか
・米経済指標で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・中国は財政政策の会見で追加の景気刺激策を打ち出すか
(欧米市場レビュー)
10日、欧米時間の外為市場では、カナダドルが軟調に推移。米ドル/カナダドルは一時1.37708カナダドルへと上昇し、8月7日以来およそ2カ月ぶりの高値を記録。カナダドル/円は107.818円へと下落する場面がありました。市場ではBOC(カナダ中銀)が次回10月23日の会合で0.50%の利下げを行うとの観測があり、大幅な利下げ観測がカナダドル安圧力となりました。
円は堅調。一時、米ドル/円は148.356円、ユーロ/円は162.153円、豪ドル/円は99.642円、NZドル/円は90.157円へと下落しました。欧米の主要株価指数が軟調に推移したことが、円の支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
BOC(カナダ中銀)は6月・7月・9月と3会合連続でいずれも0.25%の利下げを実施。マックレムBOC総裁は前回9月4日の政策会合時の会見で「必要なら、より大幅な措置を講じる可能性がある」と述べ、状況によっては今後利下げ幅を拡大する可能性に言及しました。
市場では、BOCは次回10月23日の会合で追加利下げを行うと予想されています。利下げ幅については市場の見方は割れており、市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回BOC会合での利下げ確率は、0.25%が6割強、0.50%が4割弱です。
本日は、カナダの9月雇用統計が発表されます(日本時間21:30)。雇用統計の市場予想は失業率が6.7%、雇用者数は前月比2.70万人増です。市場予想と比べて弱い結果になれば、次回会合での0.50%の利下げ観測が強まるとともに、カナダドル安圧力が加わりそうです。米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でカナダドル/円は下値を試す展開が考えられます。
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FRB(米連邦準備制度理事会)は、11月6-7日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を開きます。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月FOMCの確率は、0.25%の利下げが83.3%、据え置きが16.7%です(日本時間08:45時点)。
米国の9月PPI(生産者物価指数)と10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値が本日発表されます。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・PPI(前月比):0.1%(0.2%)
・PPI(前年比):1.6%(1.7%)
・PPIコア(前月比):0.2%(0.3%)
・PPIコア(前年比):2.7%(2.4%)
・ミシガン大学消費者信頼感指数:70.8(70.1)
PPIやミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想からかい離する結果になれば、市場のFRBの金融政策見通しが変化する可能性があります。11月FOMCでの利下げ観測が強まる場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円には下押し圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わりそうです。
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中国の藍仏安財政相が12日(土曜日)に財政政策に関する記者会見を開きます。市場では、会見で追加の景気刺激策(2~3兆元規模?)が打ち出されるとの観測があります。
週明け14日以降、藍仏安財政相の会見内容が為替相場の材料になるかもしれません。追加の景気刺激策が需要を押し上げるのに十分と市場が受け止めるものになれば、豪州やNZは中国を最大の輸出先とすることもあり、豪ドルやNZドルにとってプラス材料になりそうです。
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