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FOMC参加者の発言が材料になるか

2024/10/08 08:48

【ポイント】
FOMC参加者の発言で市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・主要国株価が軟調に推移すれば、リスクオフが強まる可能性あり

(欧米市場レビュー)

7日、欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は147.845円、ユーロ/円は162.267円、豪ドル/円は99.800円、NZドル/円は90.400円へと下落しました。米国株の主要株価指数が軟調に推移するなか、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まったことが、円の支援材料となりました。

(本日の相場見通し)

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.25%の利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月FOMCの確率は、0.25%の利下げが86.3%、据え置きが13.7%、0.50%の利下げは0%です(日本時間07:40時点)。

今週は、パウエルFRB議長の発言機会はないものの、FOMC参加者の発言機会が多くあります。

7日(日本時間8日午前)には、ムサレム・セントルイス連銀総裁が「経済見通しを踏まえると、(FRBは)さらに利下げする可能性がある」、「段階的な追加利下げが適切になる可能性が高い」、「利下げは過度にならないように慎重に行うべき」、「今後の経済動向が金融政策の方向を決定する」などと述べました。

本日は、クーグラーFRB理事コリンズ・ボストン連銀総裁ボスティック・アトランタ連銀総裁が講演し、ジェファーソンFRB副議長が対話集会に参加します。講演などでは、FRBの金融政策の先行きについて新たなヒントが示されるかどうかに注目です。ジェファーソン副議長らの発言によってFRBの利下げ観測が市場で後退する場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になると考えられます。

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米国など主要国の株価動向にも注目です。

7日の米株式市場では、主要3株価指数が総じて下落しました。ダウは前営業日比398.51ドル安(-0.94%)の41,954.24ドル、ナスダックは同213.94ポイント安(-1.18%)の17,923.90ポイント、S&P500は同55.13ポイント安(-0.96%)の5,695.94ポイントで取引を終了。米国の長期金利(10年物国債利回り)上昇や中東情勢の緊迫化への懸念が、株価に対する下押し圧力となりました。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[世界の長期金利が上昇、米国が先導!?]です。

主要国の株価が本日軟調に推移すれば、リスクオフの動きが強まる可能性があります。その場合、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円に対して下押し圧力が加わりかもしれません

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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