米雇用統計で米ドルが堅調、米ドル/円は1カ月半ぶり高値
2024/10/07 08:45
【ポイント】
・米雇用統計の強い結果を受けてFRBの0.50%の利下げ観測が後退
・原油価格が一段と上昇するか
(欧米市場レビュー)
4日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は148.949円、米ドル/カナダドルは1.35863カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.09491ドル、豪ドル/米ドルは0.67842米ドルへと下落。米ドル/円は8月16日以来の高値を記録し、ユーロ/米ドルは8月13日以来の安値をつけました。米国の9月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比25.4万人増、失業率が4.1%となり、いずれも市場予想(14.0万人増、4.2%)よりも強い結果でした。これを受けて市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)の大幅な利下げ観測が後退して、米ドルの支援材料となりました。
※米雇用統計について詳しくは、4日の『ファンダメ・ポイント』[【速報】9月米雇用統計は強め、長期金利、米ドル/円ともに上昇]をご覧ください。
英ポンドも堅調。ユーロ/英ポンドは一時0.83519円へと下落しました。BOE(英中銀)のピル政策委員が「利下げが過度になったり、急速過ぎたりするリスクを警戒することが重要だ」と述べたことが、英ポンドの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
米国の9月雇用統計の強い結果を受けて、FRBは次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%の利下げを行うとの観測が市場で後退しました。
CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月FOMCの確率は、以下の通りです。0.25%の利下げ確率が高まる一方で、0.50%の利下げ確率は0%へと低下し、わずかながらも据え置きが織り込まれました。このことは米ドルにとってプラスと考えられます。
<3日時点(雇用統計発表前)>
・0.25%の利下げ:67.9%
・0.50%の利下げ:32.1%
・据え置き:0%
<4日時点(雇用統計発表後)>
・0.25%の利下げ:97.4%
・0.50%の利下げ:0%
・据え置き:2.6%
本日は、米国の主要な経済指標の発表はなく、米雇用統計の結果が引き続き市場で意識される可能性があります。その場合には米ドルが引き続き堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下値を試す展開になりそうです。米ドル/円の上値メドとして、心理的節目である150.000円が挙げられます。
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中東情勢の緊迫化による原油の供給懸念から、原油価格が上昇しています。米WTI原油先物は4日に一時75.57ドルへと上昇し、8月30日以来の高値をつけました。原油高が一段と進む場合、カナダドルやメキシコペソ、ノルウェークローネなどの資源国通貨が堅調に推移する可能性があります。
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