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【速報】9月米雇用統計は強め、長期金利、米ドル/円ともに上昇

2024/10/04 22:01

【ポイント】
・9月NFPは堅調な増加。失業率も低下して労働市場の堅調を示唆
・FRBは利下げを急ぐ必要はなさそう
・11月FOMCでは0.25%利下げか

米国の9月雇用統計はNFP(非農業部門雇用者数)が大幅に増加し、失業率が低下するなど、労働市場の堅調を示唆しました。雇用統計発表直後に米長期金利(10年物国債利回り)は3.97%と、8月上旬以来となる4.0%に接近。米ドル/円は2円前後上昇して148円台ミドルを付けました(日本時間4日22:00現在)。

11月7日のFOMCでは0.50%ではなく0.25%の利下げが決定されそうですが、利下げを急ぐ必要はないとの意見が出るかもしれません。

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9月雇用統計では、事業所調査のNFP(非農業部門雇用者数)は前月比25.4万人増と、市場予想(15.0万人増)を大きく上回りました。また、7-8月分は計7.2万人上方修正されました。過去3カ月の平均は18.6万人増/月と堅調で、コロナ・ショック前の17-19年の雇用増加ペース17.7万人増/月も上回りました。

NFP

時間当たり賃金は前年比4.0%増で前月(3.9%)から加速、引き続きインフレ率(8月PCEコアは前年比2.7%)を上回りました(=実質賃金の伸びはプラス)。また、<雇用者数×週平均労働時間×時間当たり賃金>で求められる総賃金指数は前年比4.8%増で前月(5.1%)から伸びは鈍化したものの、インフレ率(8月CPI前年比2.6%)を上回っています。
時間当たり賃金

総労働報酬


家計調査に基づく失業率は4.1%と前月の4.2%から低下。少数点以下2ケタまでみると、9月の失業率は4.05%で、もう少しで4.0%まで低下するところでした。労働参加率<(雇用者数+失業者数)/生産年齢人口>は62.7%で前月と同じ。労働参加率は昨年後半以降ほぼ横ばいで推移しており、ピークは62.8%です。コロナ・ショック後の回復(上昇)段階は終了したのかもしれません。

失業率

労働参加率
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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