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【株価指数】緊迫する中東情勢と米金融政策見通しが相場材料に⁉

2024/10/07 06:59

【ポイント】
・主要株価指数は米景気の堅調と中東情勢の緊迫化との綱引き?
・11月の米FOMCに向けた市場の利下げ観測がどう変化するか
・日経平均は為替相場や衆院選に向けた動きなどが相場材料になりそう

先週(9/30- )のレビュー

日経平均は先週、大きく下落して始まりました。前週末の引け後に自民党総裁選で石破氏が逆転勝利し、高市氏への期待による株高・金利低下・円安の反動が出たため。1日にいったん反発したものの、2日には中東情勢の緊迫化(後述)により一段安。週後半は米ドル/円の反発に助けられてやや値を戻しました。

NYダウS&P500は強弱の材料が交錯して高値圏で揉み合い、ナスダック100も方向感の定まらない展開でした(ただし、NYダウは最高値を更新して週を終えました)。9月のISM非製造業指数雇用統計などが景気の底堅さを示唆。パウエルFRB議長が慎重な発言をしたこともあって、利下げ観測がやや後退。

イランがイスラエルにミサイル攻撃、イスラエルがガザとレバノンへの攻撃を激化させるなど中東情勢が緊迫化し、WTI原油価格が一時1バレル=75ドルを超えるなど上昇。リスクオフが強まって「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数は20前後まで上昇しました。サプライチェーン障害が懸念された米東海岸・メキシコ湾岸の港湾ストは1日から3日間で終了し、米経済への影響は限定的だった模様です。

FTSE100も中東情勢の緊迫化や原油高などが重石になりました。ただ、ベイリーBOE(英中銀)総裁はインフレが想定通りに鈍化すれば、「もう少し利下げに積極的になれる」と発言。英ポンドが大きく下落したことで、株価が支えられた面はあったようです。


今週(10/7- )の注目材料

イスラエルはイランのミサイル攻撃に対して「深刻で重大な」対抗措置を準備しているようです。中東での戦火が一段と拡大しないか、その結果として原油価格がさらに上昇しないか。市場はリスクオフが強まりやすい地合いとみられ、注意が必要でしょう。

今週は米FRBの金融政策に関する市場予想がどう変化するか要注目です。先週末の雇用統計を受けて利下げ観測が後退。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のFedWatchによれば、11月7日のFOMCに関する市場予想は0.25%利下げが大勢(4日時点で97.4%)。0.50%利下げは消滅し、据え置きの確率がわずか(同2.6%)に織り込まれています。

今週はパウエルFRB議長の発言機会こそ予定されていませんが、延べ20人のFOMC参加者の発言機会があります。また、9日には前回9月17-18日開催のFOMC議事録が公表されます。0.50%利下げの決定に至るまでの経緯やその後の金融政策に関する議論などが興味深いでしょう。

10日には米国の9月CPI(消費者物価指数)が発表されます。CPIはインフレの一段の落ち着きを示すでしょうか。雇用統計を受けて8月上旬以来となる4%に接近した長期金利(10年物国債利回り)の動向も気になります。

日経平均については、毎月勤労統計衆院選向けた動き、ファーストリテイリングセブン&アイ・ホールディングの決算、米ドル/円の動向なども相場材料となりそうです。毎月勤労統計の実質賃金総額は26カ月連続で前年比マイナスとなった後に6-7月と2カ月連続でプラスとなりましたが、8月は再びマイナスが予想されています。石破首相は9日に衆院を解散し、27日に衆院選投開票を実施する意向です。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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