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中東情勢には注意、米ADP雇用統計発表

2024/10/02 08:38

【ポイント】
・中東情勢が一段と緊迫化する場合、リスクオフが強まる可能性あり
ADP雇用統計で市場のFRB利下げ観測がどう変化するか

(欧米市場レビュー)

1日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、ユーロ/円は158.280円、豪ドル/円は98.331円、ユーロ/米ドルは1.10453ドル、豪ドル/米ドルは0.68552ドルへと下落しました。イランがイスラエルに向けてミサイル攻撃を実施。中東情勢の緊迫化を受けてリスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、米ドルや円の支援材料となりました。

カナダドルも堅調。一時、カナダドル/円は106.827円へと上昇し、米ドル/カナダドルは1.34800カナダドルへと下落しました。中東情勢の緊迫化によって原油価格が上昇したことが、カナダドルの支援材料となりました。原油価格の代表的な指標である米WTI原油先物は、前日比1.66ドル高(2.44%)の69.83ドルで取引を終えました。

ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは、一時0.96921スウェーデンクローナへと上昇しました。原油価格の上昇が、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナの上昇要因になったと考えられます。

米国の東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者がストライキに突入しました。ストによって物流が停滞するとみられます。ストが長期化するようであれば、米経済に悪影響を与えるかもしれません。

(本日の相場見通し)

アラグチ・イラン外相はイスラエルへのミサイル攻撃の後、「イスラエルがさらなる報復を招く決定をしない限り、イランの措置は終了した」としました。一方、ネタニヤフ・イスラエル首相は「イランは(ミサイル攻撃の)代償を払うことになる」と述べました。

中東情勢には注意が必要です。中東情勢が一段と緊迫化する場合、リスクオフの動きがさらに強まるとともに、クロス円(ユーロ/円など)やユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルに対して下押し圧力が加わる可能性があります。

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市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うと予想されています。利下げ幅について市場の見方は分かれており、CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む11月FOMCの利下げ確率は、0.25%幅が37.4%、0.50%幅が62.6%です。

米国の9月ADP雇用統計が本日発表されます(日本時間21:15)。ADP雇用統計が市場予想の前月比12.0万人増を下回る結果になれば、0.50%の利下げ観測が強まると考えられます。その場合には米ドル安圧力が加わり、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。

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日本時間午前10時から1時間半の予定で、ウォルズ氏(民主党)とバンス氏(共和党)の米副大統領候補による討論会が行われます。討論会におけるウォルズ氏とバンス氏の発言が為替相場の材料になる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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