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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月27日更新

2024/09/27 11:56

宮田レポート.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,000~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 39,600~42,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 16,900~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~103.546



[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。

8月5日安値からの上昇が、第(4)波中B波に当たるのか、第(5)波による上昇に入ったかを判断するのにはまだ少し時間が必要です(詳細については時間足分析をご覧ください)。

ただいずれにしても、25年に日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、とみています。

9月27日、日経平均は年初からの需給的なレジスタンス価格帯[3万8000円~3万9000円]を上抜き始めました。一方、TOPIXは同様の価格帯[2718~2753]を、まだ上抜けていません

日経平均とTOPIXの両方が需給面の上値のカベを上抜くかに注目です。日本株市場は当面の正念場を迎えた、といえそうです。

【日足 エリオット波動分析】
9月26日の日経平均予想EPSは2473.03円と過去最高を更新しました。初のEPS=2500円が明確に視野に入っています。EPS2500円、PER18倍と仮定すると4万5000円という水準が得られますが、それは25年の日経平均ターゲット候補として要注目です。

27日前場、日経平均は39,080円(9/2高値)を上抜きました。ただし執筆時点で、TOPIXは2740.69(9/3高値)を上回っておらず、日経平均の強気形状はTOPIXからは確認されていません

TOPIXが日経平均の強さにキャッチアップできない限り、7月以降の第(4)波が[トライアングル]のような、保ち合いパターンを形成中という見方は有効です。

一方、日経平均に続きTOPIXも9月3日高値(2740.69)を上抜けば、戻り売り圧力の強い価格帯(前述)もクリアします。この場合、日経平均は当面、4万円処を打診するでしょう。

[40,014円]…7月~8月の下落に対し78.6%戻り水準


【時間足 エリオット波動分析】
足元、波動カウントには以下2つのオプションが存在します。

➀第(4)波継続中~10月~11月二番底シナリオ
7月高値以来の第(4)波は[トライアングル(A-B-C-D-E)]。
31,156円(8/5安値)からのB波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)によるリバウンドは、4万円処までに完了するでしょう。
B波完了後は、C波の下げが始まります。このC波により日経平均は10月~11月に二番底を付けるでしょう。

➁第(5)波入り~高値更新へ
4万円を終値でも回復すると、31,156円(8/5安値)を起点に第(5)波による強気相場に入った、という見方が現実味を帯びてきます。35,247円(9/9安値)からは第(5)波-3波に位置付けられ、それにより日経平均は、42,426円を上抜き最高値を更新するとみられます。

[日経平均4年サイクル]



[NYダウ] 


【日足 エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇は(B)波とカウントされ、(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]を想定しています。

23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波に当たります。Y波の上値メドは[42,118ドル]です。
[42,118ドル]…(B)波中、W波とY波の上昇幅が1:1.618になる水準

9月19日にNYダウは初の4万2000ドル台へ上昇しました(25日には一時42,299ドル)。当面の高値はいつ付けてもおかしくありません。

Y波の編成は [ジグザグ(a)-(b)-(c)]になります。
さらに37,611ドル(4/18安値)からの上昇をY波中(c)波とみることができ、この(c)波を筆者は、上昇局面の最後に現れる[(エクスパンディング)ダイアゴナル]とみています。

(c)波完成を以て(B)波全体も完成するわけですが、その後は(C)波による調整が続くことになります。
(C)波は22年10月安値を目指す、大きな下降波になることが想定されます。


【時間足 エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからのY波は、(a)-(b)-(c)[ジグザグ]編成となります。37,611ドル(4/18安値)以来、(c)波による上昇とみられます。

23年10月~24年3月までの上昇(a)波は、一貫して上昇するシンプルな形状ですが、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状です。これは(c)波が[(エクスパンディング)ダイアゴナル]を形成中であることを示唆しています。

[エクスパンディング・ダイアゴナル]は第i波~第v波から成り立ち、各々は三波構成(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)となります。

38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇とみられます。
この第iii波は[ジグザグ(Ⓐ-Ⓑ-Ⓒ)]編成であり、39,993ドル(9/11安値)からの上昇は、第ⅲ波中のⒸ波とカウントされます。

先に書いたように、9月19日にNYダウはチャート節目に達しており、第iii波はいつ終わってもおかしくありません。この見方が正しければ、第ⅳ波による調整がまもなく始まるでしょう




[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)を形成し、それは25年前半まで続くでしょう。

18,671(7/11高値)より、X波による調整が進行中とみられますが、このX波は[トライアングル]か、[フラット]を形成中のようです。

23年10月安値(12,543)と24年8月安値(15,708)を通る、上昇サポートライン※を維持する限り、Z波による上昇が25年に向けてみられるでしょう

※10月第1週(9/30~10/4)のサポートライン水準…[16,330]

その反面、サポートラインを終値で明確に下抜くと、18,671(7/11高値)から既に(C)波による下落トレンドに入っているという見方が台頭します。この場合のナスダックは、中期的に[12,547]を目指す可能性があります。

【時間足 エリオット波動分析】
7月高値からのX波は[フラット]か、あるいは[(アセンディング)・トライアングル](ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中と思われます。

15,708(8/5安値)までを三波構成によるⓐ波、そこからは三波構成によるⓑ波とみることができます。

9月26日、始値(18,327)は前日終値比1.35%高で高寄りしましたが、結局それがこの日の高値でした。この日のローソク足「陰の寄り付き坊主」は、ⓑ波終了の暗示かもしれません

ⓑ波完了後にはⓒ波による下落となり、それは16,668(9/7安値)を下抜く動きとなるでしょう。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場(※)を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それはⓍ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、この波動カウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。なお➀のもうひとつのパターンとして[ランニング・フラット]もあげられましょう。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。➀の水準は134.635円(9月)です。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。➁の水準は115.010円にあります。

【週足 エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。B波終点の高値はA波の始点高値を上回り、不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しました。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

なお137円を下抜くケースでは、先述した[134.635円]のほか、[131.358円]に注目です。
[131.358円]…A波の長さ(24.741円)×1.236=C波の長さ(30.579円)

【時間足 エリオット波動分析】 
ドル/円は139.565円(9/16)から急反発しています。この波は、149.289円(8/16)以来のマルv波中、第(iv)波とみられます。マルv波のパターンは「エクスパンディング・ダイアゴナル」でしょう。

8月16日からの円高に対し61.8%戻り水準は[145.574円]。この付近で第(iv)波は頭打ちとなり、第(v)波によるドル安・円高開始となるでしょう。第(ⅴ)波は139.565円を下抜き、さらに[137.197円]を試す可能性があります。

一方、ドル/円上昇がなおも続き、147.165円(9/3)を一時的にも上抜くようなら、上記波動カウントは成立しません。

(オルタナティブ・カウント)
この場合の代替カウントは、141.630円(8/5)を起点にⓑ波による戻りが展開中、というものです。ⓑ波パターンは「エクスパンディッド・フラット」、139.565円からはⓑ-(c)波です。ⓑ-(c)波は149.289円を上抜き、150円台前半への上昇余地がありますが、その後はⓒ波によるドル安・円高となるでしょう。

※9月マンスリー・フォーカス(9/5発行)では、長期サイクルに基づき2032年までのドル/円見通しを書いています。こちらも併せてご覧ください。

円買いポジションは5週連続で増加
IMM通貨先物市場での非商業部門(投機筋&ヘッジファンド)のドルポジションは、8月13日に3年5カ月ぶりに円買い越しに転じました。

9月17日時点の投機筋ポジションは、5.68万枚(49.89億ドル)の円買い持ち。円買いポジションの増加は5週連続です。


筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。

ドル/円が26週MA(152.490円)を下回っている間は、投機筋によるドル売り・円買いの動きは今後も継続する可能性があります。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、1年間かけて[トライアングル]を完成し、現在はC波によるドル安が進行中です。9月18日には一時100.215と、1年2カ月ぶりドル安になりました。

近日中にも23年安値(99.578)を試し、それを下抜くでしょう
99.578を下回ってからのドル指数ターゲットは[92.148](N計算値)です。

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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