マネースクエア マーケット情報

BOE(英中銀)は「タカ派」的据え置き!? それでも11月に利下げか

2024/09/20 07:05

【ポイント】
・据え置き決定は8対1。利下げ支持は1人だけ
・議事要旨や総裁発言は追加利下げにやや慎重な姿勢
・それでも市場は緩やかな利下げ継続を予想

BOE(英中銀)は政策金利を据え置きました。会合の議事要旨やベイリー総裁の発言では先行きの利下げに慎重なスタンスが示されており、「タカ派」的据え置きと判断できます。市場の利下げ観測はやや後退しました。それでも、次回MPCで8月に続いて利下げに踏み切る可能性が高そうです。

英ポンドは上昇、対米ドルでは22年2月以来の高値、対円では今年9月上旬以来の190円にワンタッチしました。

19日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場はBOEの利下げを次回11月のMPCで0.25%×1.1回織り込んでいます。また、24年末までに0.25%×1.7回(前日時点では2.0回、以下同じ)、25年8月までに0.25%×5.6回(同じく5.6回)織り込んでいます。

*******
BOEは19日のMPC(金融政策委員会)で現状維持を決定。政策金利を5.00%に据え置きました。票決は8対1。1人が0.25%の利下げを支持しました。

同時に公表されたMPCの議事要旨には、フォワードガイダンス(先行きの政策に関する示唆)として、「重大な展開がない限り、景気抑制的な政策を緩やかに解除していくアプローチが依然として適切だ」との一文が追加されました。また、会合ごとに判断するとしたうえで、「十分な期間にわたり、景気抑制的であることが必要だ」と強調されました。

ベイリー総裁は会見で、「緩やかな利下げは可能だ」としつつ、「利下げの継続はインフレ圧力が引き続き弱まることが前提だ」と指摘。そして、「あまりに急速に、あるいはあまりに大幅に利下げをしないよう注意する必要がある」と付け加えました。とりわけ、サービスセクターにおけるインフレの高止まりをリスク要因としてみているようです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ