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強めのCPIコアを受けてFOMCの大幅利下げ観測が後退、それでも・・・

2024/09/12 08:17

【ポイント】
・米CPIコアはやや強めで、次回FOMCでは0.25%利下げか
・市場は25年7月までアグレッシブな利下げを織り込む
・次回FOMCで公表される「ドット・プロット」とのかい離はあるか

米国の8月CPI(消費者物価指数)はやや強め。9月17-18日のFOMCにおける大幅利下げの観測は後退しました。ただし、25年7月にかけてFRBがアグレッシブなペースで利下げを続けるとの市場予想に大きな変化はありません。次回FOMCで公表される「ドット・プロット(参加者の政策金利見通し)」と市場予想が合致するのか、それともかい離するのか。かい離する場合に、それがどのように解消されるのか、大いに注目されるところでしょう。

11日時点のFedWatchによれば、18日のFOMCで0.25%利下げを市場は85%の確率で織り込んでいます。0.50%利下げの確率は15%。

11日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は24年末まで3回のFOMCで0.25%×4.0回分、25年7月まで8回のFOMCで0.25%×9.2回分の利下げを織り込んでいます。

OIS

6月12日のFOMC後に公表された「ドット・プロット(中央値)」では、24年末までに1回、25年末までにさらに4回の利下げが想定されていました。

ドットプロット

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8月CPIは、総合が前年比2.5%と、前月(2.9%)から減速し、市場予想と同じでした。エネルギーと食料を除くコアは前年比3.2%と、前月および市場予想と同じでした。ただし、コアの前月比は0.3%(厳密には0.28%)と、前月の0.2%(同0.17%)から加速しました。また、コアの3カ月前比年率は3月時点の4.5%から急速に伸びが鈍化していましたが、7月1.6%⇒8月2.1%と小幅に反発した格好です(3カ月前比年率はそもそもブレが大きいですが・・)。

米CPI

CPI3カ月前比年率

雇用コストを強く反映するとして、FRBが注目するコアサービス(住居費を除く)は前年比4.5%と、前月(4.7%)を下回りジリジリと鈍化しているものの、依然として高め。足もとの労働市場の軟化がコアサービス(住居費を除く)の一層の伸び鈍化につながるか、要注目でしょう。

住宅除くサービスコア
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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