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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※9月3日更新

2024/09/03 09:42

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YouTube エリオットView(9月2日) [米ドル/カナダドル、メキソコペソ/円 定点観測と見通し]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,800~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 39,600~42,000ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 16,900~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~103.546


[日経平均]


【週足 エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。

8月5日安値からの上昇が、第(4)波中B波に当たるのか、第(5)波による上昇に入ったかを判断するのにはまだ少し時間が必要です。ただいずれにしても、25年に日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、とみています。

半導体、テック、自動車などの主力株には、2月~4月に高値を付けたものが目立ちます。
それら銘柄に対し、6カ月信用期日接近に伴う売り戻し圧力が残るなか、日経平均は上値追いとはなりづらいでしょう。

需給面に関していえば、9月13日のメジャーSQを境に建玉整理は相当程度進むと思われます。
ただし、19日未明(日本時間)の米FOMC結果公表、昼頃の日銀会合結果発表が、27日には自民党総裁選の投開票があります。
これら重要イベントを控え、9月を通じてマーケットには様子見ムードが広がるかもしれません

【日足 エリオット波動分析】
日経平均予想EPSは8月26日に2457.1円に増え、初のEPS=2500円が視野に入っています。EPS2500円、PER18倍と仮定すると4万5000円という水準が得られますが、それは25年の日経平均ターゲット候補として要注目です。

9月2日に日経平均は一時39,080円へ上昇し、8月からの戻り高値を更新しました。その後は戻り売りによって伸び悩みましたが、終値38,700円は(辛うじてですが)100日MAを上回っています。

※100日MA…38,587円、200日MA…37,391円(9/2)

短期的な注目点は、39,080円を上抜くことの可否です。もしも39,080円を上抜けることになれば、次は4万円回復の道が開かれます。


【時間足 エリオット波動分析】

上チャートは、第(4)波を[トライアングル(A-B-C-D-E)]とみなし、その仮定に基づいた展開イメージを示しています。31,156円(8/5安値)からの上昇は、(4)-B波とカウントされます。

39,080円(9/2高値)を上抜くと、(4)-B波により、39,188円(7/31高値)や[40,014円](7月からの下げに対する78.6%戻り)などを試す可能性が高いでしょう

一方37,304円(8/16安値)を終値で下回ると─この時点で200日MAも下回ります─ (4)-C波による下落入りが示唆されます。この場合、C波はB波による上昇分の50%-61.8%を打ち消す可能性があります。


[NYダウ] 

【日足 エリオット波動分析】 (9/2はレイバーデーのため休場)
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇は(B)波とカウントされ、(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]です。

23年10月安値(32,327ドル)からの上昇がY波に当たり、その編成は [ジグザグ(a)-(b)-(c)]になります。さらに37,611ドル(4/18安値)からの上昇は、Y波中(c)波に位置付けられます。この(c)波は、上昇局面の最後に現れる[エンディング・ダイアゴナル]とみています。

NYダウは連日の最高値更新。8月30日には一時41,585ドルまで上昇しました。
[エンディング・ダイアゴナル]はまだ形成途中とみられます。

もっとも(c)波が完了後には、(C)波による調整が続くことになります。(C)波は22年10月安値を目指す、大きな下降波になることが想定されます。

【時間足 エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからの上昇は、Y波に位置付けられます。それは(a)-(b)-(c)[ジグザグ]を形成しています。

37,611ドル(4/18安値)からの上昇は(c)波に位置付けられます。
23年10月~24年3月までの上昇(a)波が、一貫して上昇する、シンプルな形状であるのに比べ、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状です。これは(c)波が[エンディング・ダイアゴナル]を形成中であることを示唆しています。

38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇に位置付けられます。この第iii波は[ジグザグ(a-b-c)]編成です。

ⅲ波中のa波は目先的にも完了し、b波による調整に入ってもおかしくありませんが、その後に始まるc波によって、NYダウは一段と上昇することが見込まれます。

なおNYダウがY波を完成するまでには、今後まだ数カ月から半年程度かかるとみられます。
NYダウが天井を付けるのは来年の前半になりそうです。


[ナスダック]

【週足 エリオット波動分析】 (9/2はレイバーデーのため休場)
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)を形成し、それは25年前半まで続くでしょう。

15,708(8/5安値)からはZ波の上昇に相当し、Z波のパターンは[ジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)]です。このZ波によりナスダックは最高値を更新する可能性があります。

8月22日にナスダックは一時18,017まで上昇しました。この水準は、7月からの下げに対する76.4%戻り水準[17,971]に近似となっています。短期的に8月14日-15日のマド[17,260-17,375]への調整があるかもしれませんが─28日には一時17,439まで下げました─上昇基調は継続するでしょう。

ただし筆者の見通しと異なり、15,708を一時的にも下抜くようなら弱気シナリオが復活します。
それは、18,671(7/11高値)を以て(B)波は完成しており、既に(C)波による下落トレンドに入っている、というものです。

【時間足 エリオット波動分析】
15,708(8/5安値)以来の上昇はZ波とみられ、この見方通りなら、Z波は[ジグザグⓐ-ⓑ-ⓒ]パターンを形成していくでしょう。

18,017(8/22高値)から足元続く調整は、ⓐ波中第(ⅳ)波とカウントできます。
この見方によれば、(ⅳ)波の完成後には第(ⅴ)波による上昇が続き、18,017を上抜くことになります。

第(ⅴ)波は18,671(7/11高値)を上抜く可能性もあるでしょう。

なお五波構成によるⓐ波完成後は、ⓑ波の調整局面入りが想定されます。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それはⓍ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、この波動カウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。今月、➀の水準は134.635円です。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。➁の水準は今月、115.010円にあります。

【週足 エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。B波終点の高値はA波の始点高値を上回り、不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しました。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

なお137円を下抜くケースでは、先述した[134.635円]のほか、[131.358円]に注目です。
[131.358円]…A波の長さ(24.741円)×1.236=C波の長さ(30.579円)

投機筋は円買い持ちを継続
IMM通貨先物市場での非商業部門(投機筋&ヘッジファンド)のドルポジションは、7月2日時点で過去最大級の円売り越し(18.42万枚、142.6億ドル)でしたが、8月13日には3年5カ月ぶりに円買い越しに転じました。


8月27日時点の投機筋ポジションは、2.58万枚(22.5億ドル)の円買い持ちです。

筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。

ドル/円が今後も、26週MA(153.650円)を下回っている間は、投機筋によるドル売り・円買いの動きは継続する可能性があります。

数年間の「円キャリーによる円売り」から、7月の「円キャリー巻き戻し」を経て、足元は「投機筋による円買い」という新たな局面に入ったかもしれません

【時間足 エリオット波動分析】 
基本的にドル/円が141.630円(8/5)を下抜くのは時間の問題とみていますが、目先的には以下二通りの展開がありそうです。

141.630円(8/5)からのマルⅳ波が[トライアングル]による保ち合いパターンを形成中なら、143.400円からのリバウンドはマルⅳ波中(c)波です。(c)波の後には(d)波(↘)、(e)波(↗)と続き、トライアングルは完成。その後ドル/円は、マルv波による下落となります。

あるいは、149.289円(8/16)から既にマルv波による下落が進行中なら、足元はマルv波中(ii)のリバウンドということになります。この見方によると、まもなく(ⅲ)波のドル安・円高が到来し、それは141.630円を下抜くでしょう。


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足 エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、1年間かけて[トライアングル]を完成し、現在はC波によるドル安が進行中です。8月26日には一時100.534まで下げましたが、これは23年7月27日以来1年1カ月ぶりドル安です。

足元はリバウンドとなっていますが、ドル安基調自体は今後も続き、23年安値(99.578)を下回るのは時間の問題とみられます。

99.578を下回った後、ドル指数は[92.148](N計算値)を目指すでしょう

Ⓑ波は最終的に、[90.930]、[89.209]を試す可能性があります。前者はA波とC波が等しく下がる水準、後者は21年1月に付けた、Ⓐ波のレッサー・ディグリー(4)波安値です。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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