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【株価指数】主要株価は総じて堅調、NYダウは連日の高値更新!

2024/09/02 07:55

【ポイント】
・米景気の底堅さや利下げ観測の高まりが主要株価の上昇要因に
・引き続き、雇用統計などの米経済指標に要注目
・終盤を迎える大統領選挙戦の影響は?

先週(8/26- )のレビュー

主要株価指数は総じて堅調でした。NYダウは28日を除く4営業日で終値ベースの高値を更新。日経平均S&P500は揉みあったものの、週末にかけて上昇。エヌビディアの5-7月期決算が好調だったにもかかわらず、同社株が下落し、その他のハイテク株も軟調だったことで、ナスダック100はやや軟調。FTSE100は5月15日の高値には届かなかったものの、上昇基調でした。

主要株価指数は8月初めに急落したものの、その後は順調に下げを取り戻しました。VIX指数、いわゆる「恐怖指数」は、8月中旬以降は落ち着きを取り戻し、投資家のリスク選好姿勢が戻ったことを示しました。

4-6月期のGDP(国内総生産)が上方修正され、7月のPCE(個人消費支出)が堅調となるなど、懸念された米国景気の底堅さが示されました。一方で、PCEデフレーターはインフレの落ち着きを示唆。

8月23日のジャクソンホール会議の講演で、パウエルFRB議長は「政策を調整する時が来た」と述べ、9月17-18日のFOMCでの利下げをほぼ「予告」。市場は25年7月までに2%近い利下げを織り込むも、それに対してけん制する発言はありませんでした。

景気の底堅さと利下げの組み合わせは株価堅調の処方箋と言えそうです。他方、日銀は金融市場が落ち着けば利上げを継続する意向ですが、市場では25年の春以降まで利上げはできないとの見方が有力です。


今週(9/2- )の注目材料

先週後半の株式の強気が継続するか。重要なカギを握るのが、米国の経済指標でしょう。3日の8月ISM製造業景況指数、5日の8月ADP(雇用)統計、先週分の新規失業保険申請件数、8月ISM非製造業景況指数、6日の8月雇用統計など。とりわけ、雇用関連指標は要注目です。4日にはベージュブック(地区連銀経済報告)が公表されて、足もとまでの景気や物価に関する判断材料が提供されます。米国以外では、2日の8月中国製造業PMI、利下げが予想される4日のBOC(カナダ中銀)政策会合など。

FRBは労働市場の悪化を懸念しています。その懸念が強まるようであれば、9月のFOMCでの大幅利下げ(0.25%ではなく0.50%)の観測が強まったり、それ以降の利下げペースが速まるとの観測が強まったりしそうです。もっとも、労働市場、ひいては景気が急速に悪化しているとの見方につながれば、企業業績見通しの下方修正を通して株価の重石になるかもしれません。

9月2日はレイバーデーで米株式市場は休場。この日が明けると米大統領選挙が最後のストレッチに入ります。11月5日の投票日まで丸2カ月。9月10日のディベート(TV討論会)などを通して、「トランプ・トレード」と「ハリス・トレード」(※)のどちらに分があるか、市場は見極めようとするでしょう。

(※)トランプ・トレードは、「トランプ政権」の政策の影響を考慮した売買。具体的には、銃器メーカーや刑務所運営会社、石油・ガス開発などの株の購入。再びインフレが高まると予想して国債の売却、など。ハリス・トレードは、同様に住宅関連、クリーンエネルギー関連の株の購入、値上げが難しくなるだろう食品や製薬会社の株の売却。財政赤字拡大を予想して国債の売却、など。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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