マネースクエア マーケット情報

エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月27日更新

2024/08/27 10:02

宮田レポートpdf

☆こちらもオススメ
YouTube エリオットView (8月26日) [本番を迎えた米ドル安!ユーロ/ドルの今後は?]

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 34,800~40,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 39.600~41,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 16,900~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~103.546



[日経平均]


【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わったとみられます。それは20年3月以来の4年サイクル底に相当します。

8月5日安値からの上昇が、第(4)波中B波に当たるのか、第(5)波による上昇に入ったかを判断するのには少し時間が必要です。ただいずれにしても、25年に日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、とみています。

8月9日申し込み時点で信用買いの評価損率は4年5カ月ぶり水準(マイナス14.15%)に悪化。前週から追証発生が相次いだことが投げ売りにつながり、信用買い残は前週比1兆円近くも急減しました。

ちなみに半導体、テック、自動車などの主力株には、2月~4月に高値を付けたものが目立ちます。
それら銘柄に対し、6カ月信用期日接近に伴う売り戻し圧力が残る今後1~2カ月は、日経平均も上値追いとはなりづらいでしょう

ただしその先、信用整理売りが一巡する9月~10月からは、年末に向け強い基調を期待できそうです

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
日経平均予想EPSは8月22日に2450.99円に増え、初のEPS=2500円が視野に入っています。EPS2500円、PER18倍と仮定すると4万5000円という水準が得られますが、それは25年の日経平均ターゲット候補として要注目です。

足元、日経平均は7月からの下げ幅に対する61.8%戻り水準[38,121円]を達成し─8月23日高値は38,424円─いったん動きが止まっています。

引き続き100日MAと200日MA※の間でレンジを形成しながら、次の動きのきっかけを待つ状況と思われます。

※100日MA…38,637円、200日MA…37,233円(8/26)



【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
上チャートは、第(4)波を[トライアングル(A-B-C-D-E)]とみなし、その仮定に基づいた展開イメージを示しています。31,156円(8/5安値)からの上昇は、(4)-B波とカウントされます。

足元、(4)-B波が38,424円(8/23高値)で完了したかを見極める局面です。

先に書いたように当面のサポートは200日MAですが、仮に終値で200日MAを下抜くようだと(4)-C波による下げに入った可能性があります。この場合C波はB波による上昇分の50%-61.8%を打ち消すとみられ、[34,790円-33,932円]が下値メドとして導かれます。

一方TOPIXが8月1日~2日のマド埋め(2684.91)を終値でも果たしたなら、(4)-B波は一段と上振れし、日経平均は39,188円(7/31高値)や[40,014円](7月からの下げに対する78.6%戻り)などを試す可能性があります。



[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
22年10月安値(28,660ドル)以来の上昇は(B)波とカウントされ、(B)波のパターンは[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]です。

23年10月安値(32,327ドル)からの上昇がY波に当たり、その編成は [ジグザグ(a)-(b)-(c)]になります。さらに37,611ドル(4/18安値)からの上昇は、Y波中(c)波に位置付けられます。この(c)波は、上昇局面の最後に現れる[エンディング・ダイアゴナル]とみています。

8月26日にNYダウは過去最高値を更新しましたが、[エンディング・ダイアゴナル]はまだ形成途中とみられます。

もっとも(c)波が完了後には、(C)波による調整が続くことになります。(C)波は22年10月安値を目指す、大きな下降波になることが想定されます。


【NYダウ時間足・エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからの上昇は、Y波に位置付けられます。それは(a)-(b)-(c)[ジグザグ]を形成しています。

37,611ドル(4/18安値)からは(c)波とカウントできます。
23年10月~24年3月までの上昇(a)波が、一貫して上昇する、シンプルな形状であるのに比べ、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状です。これは(c)波が[エンディング・ダイアゴナル]を形成中であることを示唆しています。

38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇に位置付けられます。
(c)-ⅲ波によりNYダウは最高値を更新する可能性が高い、とみていましたが、そうなりました。8月26日には一時42,420ドルと最高値を更新しています。

(c)-ⅲ波は[ジグザグ(a-b-c)]編成ですから、ここからはいつb波による調整に入ってもおかしくありません。

なおNYダウがY波を完成するまでには、今後まだ数カ月から半年程度かかるとみられます。NYダウが天井を付けるのは来年の前半になりそうです。



[ナスダック]

【ナスダック総合指数週足・エリオット波動分析】
22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇が進行中です。この(B)波は[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)を形成し、それは25年前半まで続くでしょう。

15,708(8/5安値)からはZ波の上昇に相当し、Z波のパターンは[ジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)]です。このZ波によりナスダックは最高値を更新する可能性があります。

8月22日にナスダックは一時18,017まで上昇しました。この水準は、7月からの下げに対する76.4%戻り水準[17,971]に近似となっています。短期的に8月14日-15日のマド[17,260-17,375]への調整があるかもしれませんが、上昇基調は継続するでしょう。

ただし筆者の見通しと異なり、15,708を一時的にも下抜くようなら弱気シナリオが復活します。
それは、18,671(7/11高値)を以て(B)波は完成しており、既に(C)波による下落トレンドに入っている、というものです。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それはⓍ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、この波動カウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。B波終点の高値はA波の始点高値を上回り、不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しました。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

IMM通貨先物市場での非商業部門(主にヘッジファンド)のドルポジションは、7月2日時点で過去最大級の円売り越し(18.42万枚)でしたが、8月13日には3年5カ月ぶりに円買い越しに転じました。8月20日時点の円買い越しは2.36万枚(20.3億ドル)です。

「円キャリー巻き戻し」に続き、現在は「投機筋による円買い」という新たな局面に入ったのでしょうか
筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。この先、26週MA(153.430円)をドル/円が下回っている間は、投機筋によるドル売り・円買いの動きは継続する可能性があります。

【時間足・エリオット波動分析】 
149.289円(8/16)からは、C波中マルⅴ波とみられますが、そうであればドル/円は近いうちに、141.630円(8/5)を下抜き、昨年12月の140.244円を試すでしょう


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックス(ドル指数)はⒷ波による下落局面にあります。

23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、1年間かけて[トライアングル]を完成し、現在はC波によるドル安が進行中です。8月26日には一時100.534まで下げましたが、これは23年7月27日以来1年1カ月ぶりドル安です。

短期的にはリバウンドもありそうですが、ドル安基調自体は今後も続き、23年安値(99.578)を下回るのは時間の問題とみられます。99.578を下回った後の下値メドは[92.148](N計算値)です。

Ⓑ波は最終的に、21年1月に付けた[89.209]を打診してもおかしくないでしょう。それはⒶ波のレッサー・ディグリー(4)波安値であり、その付近に200カ月MAもあります。


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ