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米FRB議長の発言で米ドルが軟調

2024/08/26 08:48

【ポイント】
・パウエルFRB議長は9月の利下げを強く示唆
・中東情勢には注意が必要

(欧米市場レビュー)

23日、欧米時間の外為市場では、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を受けて米ドルが軟調。一時、米ドル/円は143.998円、米ドル/カナダドルは1.34975カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.11959ドル、英ポンド/米ドルは1.32249ドルへと上昇。米ドル/カナダドルは24年4月上旬以来の安値を記録し、ユーロ/米ドルは23年7月以来、英ポンド/米ドルは22年3月以来の高値をつけました。

パウエル議長はジャクソンホール会議(カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム)での講演で「金融政策を調整する時が来た」と述べ、9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うことを強く示唆。「インフレ上振れリスクは後退し、雇用の下振れリスクが高まった」、「労働市場の冷え込みは明白であり、もはや過熱状態にはない」、「労働市場のさらなる冷え込みを求めることも歓迎することもない」などとも述べました。

(本日の相場見通し)

本日は、パウエルFRB議長の23日の発言が市場で引き続き意識される可能性があります。その場合には米ドルに対して下押し圧力が加わって、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。

米国の7月耐久財受注が本日発表されます(日本時間21:30)。耐久財受注の市場予想は前月比4.2%、航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注の市場予想は同0.0%です。市場予想からかい離する結果になれば材料になる可能性があります。

中東情勢には注意が必要かもしれません。ヒズボラ(レバノンのイスラム教シーア派組織)とイスラエルが25日に互いに攻撃を行ったもようです。中東情勢が一段と緊迫化すれば、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まる可能性があります。その場合にはが堅調に推移して、ユーロ/円や豪ドル/円などのクロス円には下押し圧力が加わりそうです。

本日は英国が祝日(サマー・バンクホリデー)のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きなどが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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