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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月20日更新

2024/08/20 12:50

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YouTube エリオットView 8月19日 [日経平均 最高値更新へ始動!?]


[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,800~39,800円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 32,000~41,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,700

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350



[日経平均]


【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わり、同時に4年サイクル底を付けた、とみられます。
そこからの上昇が第(4)波中B波に当たるのか、第(5)波による上昇に入ったとみるべきかを判断するにはもう少し時間が必要です。ただいずれにしても、25年に日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、とみています。

8月16日には一時38,143円まで上昇し、7月からの下げ幅に対する61.8%戻り水準(38,121円)に達しました。週明け19日に急反落(674円安)したのも、テクニカル的には当然の一服といえるでしょう。

信用買いの評価損率はマイナス14.15%と4年5カ月ぶり水準に悪化し、信用買い残は3.96兆円となっています(8月9日申し込み時点)。信用買い残は6月下旬の4.91兆円(これは18年ぶりの大きさ)から1兆円近く急減しましたが、整理売りが終わったとはまだいえません。戻り売り圧力の強さから、当面指数の上値は重いかもしれません。


【日経平均 日足・エリオット波動分析】
8月13日、日経平均の予想EPSが2439.89円まで増え(もちろん過去最高値です)、初のEPS=2500円がみえてきました。今後のEPSを2500円、PERを18倍とみれば、日経平均は4万5000円です。この水準は25年のターゲットとして注目に値します。

8月16日には200日MAを跨ぐ形でマドを空けて上昇。上述したように7月からの下げ幅に対する61.8%戻り水準[38,121円]に達しました。

目先では200日MA※や8月16日のマド埋め(36,885円)などが、サポートに切り替わるかに注目です。

※200日MA…37,051円(8/19)

なお終値でマド埋め水準(36,885円)を下回るようなら、日経平均は二番底を模索する展開に入った可能性が高いでしょう。


【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
上チャートは、31,156円(8/5安値)以来の第(4)波が[トライアングル]になる、という仮説に基づいた当面の展開イメージを示しています。38,143円(8/16高値)がB波高値であるなら、これからはC波による下げとなり、それはB波の上昇の50%-61.8%を打ち消す動きになるでしょう。

そのうち日経平均の乱高下は次第に収まるでしょう(ボラティリティは徐々に低下)。そんな中で信用買い残は漸減していき(需給の改善)、第(5)波による上昇トレンド開始の準備が整うと考えられます。

一方、早々に38,143円(8/16高値)の奪回に成功するとB波はさらに上伸し、当面39,188円(7/31高値)や[40,014円](7月からの下げに対する78.6%戻り)などを目指すと思われます。



[NYダウ] 


【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
41,376ドル(7/18高値)から38,499ドル(8/5安値)までの下げは、五波構成ではなく(かなり明確に)三波構成となっています。

7月からの下げは推進波(impulsive waves)ではなく修正波(corrective waves)であり、NYダウの上昇(B)波はまだ続いている、とみられます。そうであれば、(B)波によりNYダウは最高値を更新するでしょう。

なおこの見方は38,499ドルを維持する限り有効です。


【NYダウ時間足・エリオット波動分析】 
23年10月安値・32,327ドルからの上昇は、Y波に位置付けられます。それは(a)-(b)-(c)[ジグザグ]とみられ、37,611ドル(4/18安値)からは(c)波とカウントできます。

23年10月~24年3月までの上昇(a)波が、一貫して上昇する、シンプルな形状であるのに比べ、(c)波は波の重複が目立つチョッピー(choppy)な形状となっています。これは(c)波が[エンディング・ダイアゴナル]を形成していく可能性を示唆しています。

そうだとすると38,499ドル(8/5安値)からは、(c)波中第ⅲ波の上昇とみることができます。
この(c)-ⅲ波によりNYダウは、41,376ドルを上回り最高値を更新する可能性があります。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数週足・エリオット波動分析】
前回レポート(8/15)では次のように書きました。
…さらに上値試しの動きが続いて、17,791(8/1高値)を上抜くようなら、もはや足元の動きを(8/5安値・15,708からの上昇を)リバウンドとみることは困難です。この場合は現行の弱気に代わる見通しが必要になります。

8月19日までナスダックは8連騰となり、この日の終値は17,876です。注目節目の17,791を上抜いたことから、波動カウントの修正が必要となりました。

なお22年12月安値(10,207)以来、(B)波による上昇という大局観は変わりません。
今回より採用する波動カウントは、(B)波が[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]では終わらずに、[トリプル・ジグザグ(W-X-Y-X-Z)に発展していく、というものです。

この見方によれば、15,708(8/5安値)からの上昇はZ波に相当し、パターンは[ジグザグ(ⓐ-ⓑ-ⓒ)]になります。Z波によりナスダックは最高値を更新し、おそらくそれは、25年前半まで続くでしょう。

ただしこの見通しとは異なり、15,708を一時的にも下抜くようなら弱気シナリオに復帰することになります。



[米ドル/円]


【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それは波動カウント的に、Ⓧ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、このカウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。それはA波開始点を上回る、不規則天井(イレギュラー・トップ)です。

161.938円(7/3)からは、C波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

投機筋は円買い越しに転換
IMM通貨先物市場での非商業部門(主にヘッジファンド)のドルポジションは、7月2日時点で過去最大級の円売り越し(18.42万枚)でしたが、8月13日時点では一転、2.3万枚の円買い越しに転じました。円買い越しに転じるのは21年3月以来のことです。円キャリーの巻き戻しは終了しました。

筆者の観測では、投機筋は26週MAをドル/円の強弱判定の目安としています。この先、26週MA(153.761円)をドル/円が下回っている限り、投機筋によるドル売り・円買いの動きは継続する可能性があります。



[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、[トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)]を形成し、足元はC波によるドル安が進行中とみられます。

現行C波によりドル指数は、23年安値(99.578)を大きく下回る展開が想定されます。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。







宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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