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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月15日更新

2024/08/15 15:37

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(おしらせ)本レポートは短縮版です。台風7号による交通機関の乱れなどが予想されるため、8月16日(金)レポートを休載します。

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 31,000~39,000円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 37,000~39,800ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円



[日経平均]


【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来の第(4)波(インターミディエイト級)中A波は、31,156円(8/5安値)を以て終わった可能性があります。それは4年サイクル底に合致するものです。

8月15日には、7月からの下げ幅に対する半値戻り水準(36,791円)を一時回復しました。3万7000円レベルに200日MA(36,984円)があり、そこでは戻り売り圧力が強まりそうです。短期的には上値が重くなるかもしれません。

もっとも遠からず200日MAをクリアし、61.8%戻り水準の[38,121円]を試す可能性があります。

なお現行の戻りが第(4)波中B波なのか、上昇第(5)波の一部なのか、を判断するには時期尚早です。
しかしいずれにしても、25年に日経平均は42,426円を上抜き、最高値を更新する可能性が高い、とみています。



[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
41,376ドル(7/18高値)から38,499ドル(8/5安値)までの下げは、五波構成ではなく(かなり明確に)三波構成となっています。そうだとすると、7月からの下げは推進波(impulsive waves)ではなく修正波(corrective waves)であり、NYダウの上昇(B)波はまだ続いていることを示唆します。

ここでの波動カウントは複数ありますが、[ランニング・トライアングル](a-b-c-d-e)による調整が、39,889ドル(3/21高値)から展開中とみなすことができます。直近の上昇は、同パターン中d波に位置付けられます。

この波動カウントに基づくと、NYダウは今後に最高値を更新する可能性があります。その動きを以て22年10月安値(28,660ドル)からの(B)波による上昇は完了するでしょう。

その反面38,499ドルを下抜くと、これまでの弱気シナリオに復帰します。




[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
足元ナスダックは100日MAをクリアし、8月1日~2日のマド埋めも果たしました。さらに8月14日には一時17,260まで上昇し、7月からの下げ半値戻り[17,189]を達成しました。

現行の弱気シナリオにおいては、[17,539](7月からの下げに対する61.8%戻り)が、リバウンドの上限とみられます。

しかしさらに上値試しの動きが続いて、17,791(8/1高値)を上抜くようなら、もはや足元の動きをリバウンドとみることは困難です。この場合は現行の弱気に代わる見通しが必要になります。



[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこからはⓍ波の「円高局面(トレンドではない)」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成していくでしょう。

161.938円(7/3)は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
それは波動カウント的に、Ⓧ波中B波高値(イレギュラートップ/不規則天井)に位置付けられ、このカウントによれば、いまはⓍ波中C波によるドル安・円高が進行中です。

22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。

➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、2011年からの上昇チャネルのセンターライン(↑➀)が強いサポートになるでしょう。

一方➁の場合には、現行C波(五波構成)はチャネル下限(↑➁)を目指し、より大きなドル安・円高になることが見込まれます。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からのB波は161.938円(7/3)を以て完成しました。それはA波開始点を上回る、不規則天井(イレギュラー・トップ)でした。

161.938円(7/3)からはC波によるドル安・円高です。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺り(厳密には137.197円)がC波のターゲットです。

円キャリーの巻き戻しはひとまず終了か
IMM通貨先物市場での非商業部門(主にヘッジファンド)のドルポジションは、7月2日時点で過去最大級の円売り(18.42万枚)でしたが、8月6日時点の円売りは1.13万枚に一気に減少しました。円キャリーの巻き戻しはひとまず終了したとみられます。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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