円キャリートレードの終焉??
2024/08/13 07:37
【ポイント】
・CFTCのネット「円ショート」は大幅に縮小し、21年3月に「ショート」に転換して以来の最低水準
・円キャリートレードは一段と巻き戻るのか
・市場が落ち着けば、円キャリートレードが拡大する可能性も
米CFTC(商品先物取引委員会)のデータによれば、ヘッジファンドなどの「非商業部門」における円のネット先物ポジションは、最新の8月6日時点で1万1,354枚のショート(売り越し)でした。同ポジションは7月2日時点に直近最大の18万4,223枚のショート、リーマン・ショック前の07年6月以来の水準に達しており、5週連続での大幅な縮小となりました。

8月6日の「円ショート」の水準(1万1,354枚)は、21年3月にロング(買い越し)からショートに転じて以来の最低水準。20年3月から21年3月までは「円ロング」でしたが、これは20年3月のコロナ・ショックによってリスクオフが強まって安全資産としての円が選好された結果だったのでしょう。
21年3月以降は、22年3月のFRBの利上げ開始以降も含めて、ずっと「円ショート」でした。
円キャリートレードの今後は??
CFTCの「円ショート」は、低金利の円資金を調達して高金利の外貨(外貨建て資産)に投資する、いわゆる円キャリートレードの全体像を示しているわけではありません。ただ、「円ショート」の縮小は、円キャリートレードのかなりの部分が巻き戻った(ポジションが解消された)可能性を示しています。
これまでの「円安」を演出してきた円キャリートレードは今後どうなるでしょうか。株価が再び大きく下落するなどして、投資家のリスクオフが強まれば、コロナ・ショック直後のように「円ロング」に転じる可能性はあるでしょう。また、FRBがいよいよ利下げを開始して日米(政策)金利差が縮小に向かうと予想されるので、それを見越して円キャリートレードは一段と巻き戻るかもしれません。
もっとも、日米金利差は引き続き「日<米」と予想されるので、市場が落ち着きを取り戻せば、円を売って米ドルを買う取引が再び活発化するかもしれません。経済合理性から言えばそうした行動は正しいようにみえます。
いずれにせよ、CFTCの円のポジションがどうなるか、大いに注目されます。
・CFTCのネット「円ショート」は大幅に縮小し、21年3月に「ショート」に転換して以来の最低水準
・円キャリートレードは一段と巻き戻るのか
・市場が落ち着けば、円キャリートレードが拡大する可能性も
米CFTC(商品先物取引委員会)のデータによれば、ヘッジファンドなどの「非商業部門」における円のネット先物ポジションは、最新の8月6日時点で1万1,354枚のショート(売り越し)でした。同ポジションは7月2日時点に直近最大の18万4,223枚のショート、リーマン・ショック前の07年6月以来の水準に達しており、5週連続での大幅な縮小となりました。

8月6日の「円ショート」の水準(1万1,354枚)は、21年3月にロング(買い越し)からショートに転じて以来の最低水準。20年3月から21年3月までは「円ロング」でしたが、これは20年3月のコロナ・ショックによってリスクオフが強まって安全資産としての円が選好された結果だったのでしょう。
21年3月以降は、22年3月のFRBの利上げ開始以降も含めて、ずっと「円ショート」でした。
円キャリートレードの今後は??
CFTCの「円ショート」は、低金利の円資金を調達して高金利の外貨(外貨建て資産)に投資する、いわゆる円キャリートレードの全体像を示しているわけではありません。ただ、「円ショート」の縮小は、円キャリートレードのかなりの部分が巻き戻った(ポジションが解消された)可能性を示しています。
これまでの「円安」を演出してきた円キャリートレードは今後どうなるでしょうか。株価が再び大きく下落するなどして、投資家のリスクオフが強まれば、コロナ・ショック直後のように「円ロング」に転じる可能性はあるでしょう。また、FRBがいよいよ利下げを開始して日米(政策)金利差が縮小に向かうと予想されるので、それを見越して円キャリートレードは一段と巻き戻るかもしれません。
もっとも、日米金利差は引き続き「日<米」と予想されるので、市場が落ち着きを取り戻せば、円を売って米ドルを買う取引が再び活発化するかもしれません。経済合理性から言えばそうした行動は正しいようにみえます。
いずれにせよ、CFTCの円のポジションがどうなるか、大いに注目されます。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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