トルコ中銀は政策金利を据え置きへ
2024/07/23 09:10
【ポイント】
・トルコ中銀はタカ派的な姿勢を維持するか
・ECB(欧州中銀)専務理事は金融政策について新たなヒントを提供するか
(欧米市場レビュー)
22日、欧米時間の外為市場では、豪ドルやNZドルが軟調に推移。一時、豪ドル/円は103.939円、豪ドル/米ドルは0.66309米ドル、NZドル/円は93.631円、NZドル/米ドルは0.59669米ドルへと下落。豪ドル/円は6月17日以来、NZドル/円は5月13日以来、NZドル/米ドルは5月3日以来の安値をつけました。中国人民銀行が市場の予想外に利下げ(※)したことで人民元が対米ドルで下落。豪州やNZは中国が最大の貿易相手国で中国と経済的な結びつきが強いこともあり、豪ドルやNZドルにも下押し圧力が加わったと考えられます。
(※)中国人民銀行は、主要な短期政策金利である7日物リバースレポ金利を1.8%から1.7%へ引き下げました。また、銀行の企業向け貸出金利の指標となる1年物 LPR(最優遇貸出金利)を3.45%から3.35%へ、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRを3.95%から3.85%へと引き下げました。
特に材料が見当たらないなかで欧州時間序盤に、米ドル/円は156.290円、ユーロ/円は170.035円、英ポンド/円は201.854円、メキシコペソ/円は8.610円へと下落する場面がありました。その後、欧米の主要な株価指数が堅調に推移すると円は上値が重い展開となり、米ドル/円やユーロ/円などは下げ幅を縮小しました。
(本日の相場見通し)
本日は、TCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます(会合の結果は日本時間20時発表)。7月の会合は25日に予定されていましたが、TCMBのカラハン総裁がG20財務相・中央銀行総裁会議(25-26日)に出席するため23日へと変更されました(8月の会合も22日から20日へと変更。カラハン総裁がジャクソンホール会議に出席するため)。
TCMBは3月の会合で利上げを実施した後、4月・5月・6月と3回連続で政策金利を据え置いており、現在の政策金利は50.00%です。
トルコの6月CPI(消費者物価指数)は前年比71.60%と、水準は依然として高いものの、5月の75.45%から上昇率が鈍化しました。政策金利は今回も据え置かれそうです。
TCMBの声明にも注目です。前回会合時の声明では、「インフレリスクに引き続き細心の注意を払う」、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には、金融政策を(さらに)引き締める」などとタカ派的な姿勢が示されました。前回会合から声明の内容に大きな変化がなければ、トルコリラの反応は限定的になりそうです。
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米国の6月中古住宅販売件数が本日発表されます(日本時間23:00)。中古住宅販売件数が市場予想の年率換算400万件からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。
ハリス副大統領は大統領選に出馬する考えを示し、ペロシ元下院議長はハリス副大統領を支持すると表明しました。大統領選をめぐる民主党内の動きに注目です。
※本日23日の『ファンダメ・ポイント』は、[ハリスvsトランプ]です。
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市場では、ECB(欧州中銀)は次回9月12日の理事会で利下げを行うとの観測があります。ラガルドECB総裁は7月18日の理事会後の会見で、9月の理事会でどうするかは「何も決まっていない」と述べました。本日、レーンECB専務理事の発言機会があります。レーン専務理事がECBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供すれば、ユーロが反応しそうです。
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