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ECB理事会:9月は未定、年内利下げは1回のみ??

2024/07/19 07:12

【ポイント】
・18日のECB理事会は据え置きを決定
・9月は「ワイドオープン」、今後8週間のデータ次第!?
・ECB内では年内利下げは1回との見方も

ECBは18日の理事会で金融政策の現状維持を決定。中銀預金金利は3.75%に据え置かれました。

声明文では、「国内のインフレ圧力が依然として強く、サービスインフレが高く、総合インフレは25年に入っても目標を上回る公算が大きい」として、フォワードガイダンスは「2%の物価目標を達成するために、必要なだけ長く十分に抑制的な政策金利を維持する」と従来と同じでした。

ラガルド総裁は会見で、次回9月の理事会でどうするかは「ワイドオープン(=何も決まっていない)」と述べ、(夏休みを挟んで通常より長めの)今後8週間のデータ次第だとの考えを示しました。

ECB関係者によれば、ECB内で、インフレ圧力が根強いため、年内2回の利下げは難しいとの見方が強まっているとのこと。また、6月の利下げをかなり明確に予告したために自分たちの裁量余地が狭まったとの反省もあって、9月の会合に関して詳細な議論はしなかったようです。

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ECB理事会の結果はややタカ派的だったとみることができます。ただ、ユーロ/米ドルは、前日に上昇していたこともあり(トランプ氏の米ドル安を望む発言が背景か)、ECB理事会後に軟化しました。ユーロ/英ポンドは下落後に反発。ユーロ/円は小幅に上昇しました。

18日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込むECBの利下げ観測はわずかに後退しました。ただ、それでも年内2回の利下げが8割近く織り込まれています。市場のメインシナリオ(確率5割超)は「9月、12月、25年3月、6月に0.25%ずつの利下げ」です。

ECB利下げ予想
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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