米ドル/円やユーロ/円は不安定な値動きが続くか
2024/07/15 09:13
【ポイント】
・12日にも為替介入があったとの見方やレートチェック実施との観測あり。さらなる介入には要注意
・中国GDPに豪ドルとNZドルが反応も
(欧米市場レビュー)
12日、欧米時間の外為市場では、円が堅調に推移。一時、米ドル/円は157.302円、ユーロ/円は171.349円、豪ドル/円は106.692円へと下落しました。市場では、本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)を11日に続いて実施したとの見方もあります。神田財務官は日本時間13日未明に「介入したかどうか申し上げることはない」、「一方的で投機的な変動があったことは無視できない」などと述べました。
(本日の相場見通し)
市場では「本邦当局が11日に(12日も?)米ドル売り・円買いの為替介入を行った」との観測があります。また、日銀が12日の東京時間に為替介入の準備とされる “レートチェック”を対ユーロで実施したとも報じられました。本邦当局によるさらなる為替介入には要注意。米ドル/円やユーロ/円などは引き続き不安定な値動きになる可能性があります。
本日は、米国の7月NY連銀製造業景気指数が発表されます(日本時間21:30)。NY連銀製造業景気指数の市場予想はマイナス6.0と、業況判断の分れ目であるゼロを8カ月連続で下回るとみられています。市場予想よりも弱い結果になれば、米景気減速への懸念が市場で強まるとともに米ドルが軟調に推移する可能性があります。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長やデイリー・サンフランシスコ連銀総裁の発言機会があります。パウエル議長やデイリー総裁がFRBの金融政策の先行きについて新たな手がかりを提供すれば、材料になりそうです。
中国の4-6月期GDP(国内総生産)が発表されます(日本時間11:00)。GDPの市場予想は前年比5.1%と、成長率は1-3月期の5.3%から鈍化するとみられています。市場予想を下回る結果になれば、中国景気をめぐる懸念が強まる可能性があります。その場合、豪州やNZは中国が主力輸出先ということもあり、豪ドルやNZドルの上値を抑える材料になるかもしれません。
本日は日本が祝日のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きなどが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があり、注意は必要です。
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