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【株価指数】高値警戒感もあるなかで、株価は上値を追うか

2024/07/15 08:04

【ポイント】
・米共和党大会を経て「トランプ当選」へ備え?
・日経平均は為替介入に警戒も
・英CPIで金融政策見通しに変化はあるか

先週(7/8- )のレビュー

株価は総じて堅調が続きました。NYダウは12日に高値を更新、終値ベースでも5月17日以来となる4万ドルをキープして週を終えました。S&P500ナスダック100は終値ベースで10日に高値を更新しました。日経平均は11日に高値を更新して初の4万2000円台を示現しました。ただ、為替介入があったとみられ円が急伸すると、12日は円高を嫌気して大きく下げました。FTSE100は5月の高値には届きませんが、堅調に推移しました。

9-10日のパウエルFRB議長の議会証言は、利下げのタイミングには言及しなかったものの、利下げに向かいつつあるとの印象を市場に与え、米株にとってはプラス。11日に発表された米国の6月CPI(消費者物価指数)がインフレの鈍化を示したことで、長期金利が大幅に低下、利下げ観測を高めるとともに、大型テクノロジー株を中心に株価の上昇要因となりました。

日経平均は、「円安」、「利上げ」、「米株高」などテーマは移り変わりましたが、それぞれで恩恵を受けるセクターが株価上昇の推進力となりました。

議会選挙後の情勢が不透明なフランスに比べ、英国では保守党から労働党への政権交代が比較的スムーズに行われると市場は判断。FTSE100の不安材料にはならなかった模様。


今週(7/15- )の相場材料

日経平均やNYダウ、S&P500などは最高値近辺で推移しており、高値警戒感もありそうです。ただ、米国では、景気が比較的底堅いなかで利下げ観測が高まるという株価にとっては良好な環境です。日経平均やFTSE100なども米株の動きから影響を受けそうです。

15-18日に共和党大会がウィスコンシン州ミルウォーキーで開催。13日の暗殺未遂事件で負傷したトランプ氏は予定通り党大会に出席するものとみられます。党大会では副大統領候補が明らかになり、トランプ氏が指名受諾演説で自身の重点施策に触れる可能性があります。大統領選挙への注目度が高まるなか、市場はトランプ氏当選のケースに対する備えを進めるかもしれません。

米国では、小売売上高住宅着工件数鉱工業生産などの経済指標が発表されます。また、FRBがベージュブック(地区連銀経済報告)を公表します。それらによって、景気の減速やインフレ圧力の鈍化が示されれば、利下げ観測が強まって株価のプラス材料となりそうです。

日経平均は為替相場にも大きく影響を受けそうです。12日の東京時間に日銀が(為替介入の準備とされる)レートチェックを行ったとされることで、11日に続く為替介入が実施されるとの警戒感があります。さらなる「円高」の進行は日経平均の重石となりそうです。

その他、日本、ユーロ圏、英国などでCPI(消費者物価指数)の発表があり、主要中銀の金融政策見通しに変化も。とりわけ、BOE(英中銀)が8月1日のMPC(金融政策委員会)で利下げに踏み切る確率を市場は五分五分と判断しており、英CPI次第で、「利下げ」と「据え置き」のどちらが優勢となるか。「利下げ」ならやや出遅れ感のあるFTSE100のプラス材料になるかもしれません。

今週は企業の決算発表にも要注目でしょう。オランダのASMLや、台湾のTSMC、日本のディスコなど半導体関連企業の決算が相次ぎます。また、米国では、ゴールドマン・サックスなどの金融機関やネットフリックスなど。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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