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米国の6月CPIは弱め、米利下げ観測が高まる

2024/07/12 07:57

【ポイント】
・米CPIは市場予想を下回り、米長期金利は低下、米ドル/円も大幅下落
・インフレ圧力低下のためには、労働市場の一層の軟化が必要か
・今後もインフレの落ち着きが示されれば、利下げ観測が高まりそう

米国の6月CPI(消費者物価指数)は市場予想より弱く、FRBの利下げ観測が高まりました。米長期金利(10年物国債利回り)は10bp(=0.10%)低下し、米ドル/円は一時157.343円まで4円程度下落しました(為替介入観測あり)。

今後の経済指標等で景気の減速やインフレの落ち着きが示されれば、7月は早過ぎるかもしれませんが、9月以降の利下げ観測が一段と高まりそうです。

FRB利下げ観測

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6月CPIは、総合が前年比3.0%と、前月(3.3%)から減速し、市場予想(3.1%)も下回りました。総合の前月比は-0.1%で、前月比がマイナスとなるのは22年7月以来初めて。エネルギーと食料を除くコアは3.3%と、前月および市場予想(いずれも3.4%)を下回りました。コアの3カ月前比年率は1.8%で、FRBの物価目標である2%を下回ったのは21年3月以来でした。

米CPI

米CPI 3カ月前比

雇用コストを強く反映するとして、FRBが注目するコアサービス(住居費を除く)は前年比4.9%と、前月(5.0%)から鈍化したものの、依然として高め。コアサービス(住居費を除く)の伸びが減速を続けるためには、労働市場の一層の軟化と相応の時間が必要かもしれません。

コアサービス 住居費除く
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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