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米CPIに注目!

2024/07/11 08:50

【ポイント】
CPIで米金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

10日、欧米時間の外為市場では、NZドルが軟調に推移。豪ドル/NZドルは一時1.10977NZドルへと上昇し、22年10月以来の高値を記録。NZドル/円は97.971円、NZドル/米ドルは0.60647米ドルへと下落する場面がありました。ハト派的なRBNZ(NZ中銀)の声明や議事要旨を受けて利下げ観測が市場で強まったことが、NZドル安圧力となりました。

※声明や議事要旨について詳しくは、10日の『デイリーフラッシュ』[【PM】RBNZ会合でNZドルが急落]をご覧ください。

も軟調。一時、米ドル/円は161.763円、ユーロ/円は175.098円、豪ドル/円は109.099円へと上昇し、ユーロ/円は1999年のユーロ導入以降の最高値を、豪ドル/円は91年5月以来の高値をつけました。欧米の主要株価指数が堅調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)の動きが強まったことが、円安圧力となりました。米株式市場ではナスダックやS&P500が最高値をつけ、ダウは前日比429.39ドル(1.09%)上昇しました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の6月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:30)。その結果が材料になりそうです。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.1%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同3.4%。上昇率は総合指数が5月の3.3%から鈍化し、コア指数は5月と同じになるとみられています。

市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は24年末までに2回利下げする(9月と12月)との見方が有力です。CPIが市場予想を下回る結果になれば、FRBの利下げ観測が強まると考えられます。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上値を試す展開になりそうです。

CPIと同時刻に米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表されます。新規失業保険申請件数が市場予想の23.6万件からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、6月CPI結果が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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