エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※7月9日更新
2024/07/09 10:59
宮田レポート
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YouTube エリオットView 7月8日 [日経平均 '24年後半の見通し]
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~41,500円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 32,000~41,000ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,550
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~162.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
今年3月高値(41,087円)からの調整は第4波に位置付けられます。第4波は[トライアングル]を形成し、第2波(22年3月~6月)の[フラット]とは交互(オルタネーション)になっていました。
6月下旬から足元にかけての上昇は、22年3月安値(24,681円)を起点とするインターミディエイト級第(3)波における、マイナー級第5波に位置付けられます。
マイナー級の第1波は3657円幅、同第3波は15466円幅、各々上昇しています。第3波の長さは第1波に対し4.229倍(≒4.236)と大きく、それは延長(エクステンション)した波です。
したがって現行の第5波は延長せず─1・3・5波で延長するのはひとつだけ─その長さは第1波と同程度と考えられます。第1波と第5波が等しく上がる水準は[41,607円]であり、この付近を有力な上値メドとして注目できます。ちなみにTOPIXでは、第1波と第5波が等しく上がる水準は[2931]です。
なお、トライアングルに続いて起こる上昇(第5波)の特徴のひとつに、「とても強いが短期間で終了する」というものがあります。
これらを考え合わせると、➂波-(3)波「サード・オブ・サード」は7月~8月にも終了すると思われます。その後には➂波-(4)波の調整が到来、おそらく9~11月に4年サイクル底を付けることでしょう。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
3月高値からの第4波[トライアングル]は37,950円(6/17安値)を以て完成し、そこからは第5波による上昇が展開中とみられます。
7月8日には一時41,112円まで上昇しました。引き続き41,607円(既述)付近へ向けた上昇が続くと思われます。
一方、37,950円からの上昇に対し61.8%押し水準を終値で下回ったときは、既に第5波がピークを打ったことが示唆されます。今のところ、第5波の61.8%押し水準は39,158円です。

[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)以来、プライマリー級➃波展開中とみられます。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。
22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]。23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。
Y波は40,077ドル(5/20高値)で天井を打ち、➃-(C)波による下落が始まったかもしれません。この見方は38,000ドル(5/30安値)を下抜くことで強められます。そうなると当面は、200日MA※を目指し下落していく展開が想定されます。
※200日MA…37,312ドル(7/8)
もう一つの波動解釈は、Y波の(b)波が[トライアングル]を形成中であり、「最後の上昇」(c)波によって高値更新がある、というものです。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
40,077ドル(5/20高値)から38,000ドル(5/30安値)までは第(ⅰ)波による下落、そこから第(ⅱ)波によるリバウンドと位置付けられます。
7月8日、一時は279ドル高の39,654ドルまで上昇しましたが、大引けではプラスを維持できませんでした(34ドル安)。38,000ドルから足元までにみられるchoppyな上昇波形は、修正波としての特徴をよく示しています。第(ii)波リバウンドは終わったか、終わりつつあるとみられます。
38,000ドルを下抜くと、第(iii)波の下げに入った可能性が高く、短期的にも37,611ドル(4/18安値)を試すでしょう。
一方、38,000ドルが維持される限り、3月高値からの(b)波を[トライアングル]と解釈できます。
この見方によれば、NYダウは─大きな調整に入る前の─「最後の上昇」により40,077ドルを上抜く展開が想定されます。
[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます(あるいはプライマリー級第➄波)。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
➃-(B)波による上昇は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成です。今年4月安値(15,222)からは、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波による上昇とみられます。
7月8日には一時18,416まで上昇しましたが、これはフィボナッチ比率の節目に近いものです。
[18,551] ➃-(B)波の上昇幅が、➃-(A)波(21年11月~22年1月)による下落幅に対し1.382倍になる
波動構成からも水準面からも、ナスダックの(B)波高値は付けつつある、とみています。
引き続き注目ポイントは、6月11日~12日のギャップ(17,345-17,490)埋めです。ギャップ埋めは下落トレンド入りの証左となります。


【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
SOX指数は、5792(6/18高値)から(C)波による下落トレンドに入った可能性があります。
短期的な下値メドとして妥当なのは [5343-4988]、レッサーディグリー第(ⅳ)波の領域です。
5000水準を下回った後、想定される下値レンジは[4400-3900]です。
なお7月8日には一時5772まで上昇しており、目先的に5792を上抜くか、あるいはダブルトップとなるかが注目されます。5792を上抜いた場合には、(B)波による上昇はまだ完成していないことになり、調整入りは先送りされます。
[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。
【月足・エリオット波動分析】
ドル/円8年サイクル高値は161.938円(7/3)を以て終わったか、終わりつつある、とみています。
いまメディアやSNSを通じて「円買い介入でも円安は止められない」「1ドル=200円説」などという極端なフレーズが飛び交い、「円安は構造的なもの」と永久に円安が続くかのようにいわれていますが、結局のところ相場は循環論であり、誰もが納得しやすい相場の理屈や構造論が持ち込まれたとき、その相場は大抵終わりに近いものです。今回でいえば円安の終わりが近い、ということです。
現在の月足は、長期上昇チャネルの上側から大きく逸脱していますが─今月のチャネル上限は153.750円に位置します─このように「極端に上がり過ぎ」の状態は長続きせず、いずれチャネル内に回帰する公算が大きいと思われます。
いまの「円安パニック」「円安バブル」は、遠からず収まる可能性が高い、と筆者は考えます。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
A波の長さに対し、B波の長さが1.382倍になるとみた場合(これはノーマルな考え方です)、B波トップの目標値は161.350円です。この目標値は既に達成されており、B波はいつトップアウトしておかしくありません。
なおB波の後に続くC波(ドル安・円高)の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でした。ここから、C波の長さの標準は25円程度と思われます。

【日足・エリオット波動分析】
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒161円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安バブル』と呼べる過剰な円安ですが、それも今後は修正されていくと思われます。
[日米実質金利差による推計値]…147.791円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでおり、そうなれば日米実質金利差の縮小に沿ってドル/円は150円を下回っていくでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】
昨年末の140.244円からのドル高・円安は、足元までに5つの波動がすべて揃っています。160.135円(4/29)は第ⅲ波トップ、そこからはトライアングルによる第ⅳ波を155.674円(6/12)まで形成し、そこからの上昇は第ⅴとカウントできます。
この第v波を以てドル/円がピークアウトした後には、大きなドル安・円高局面が続くことでしょう。
今後、第v波の上昇幅の61.8%が打ち消される動きが生じると、それを以てトレンド転換の最初のシグナル=「円高トリガー」が引かれます。
暫定的に、7月3日の161.938円を第v波終点とみなすと、[158.066円]が第v波の61.8%戻し水準です。このことにより、158円を下抜く動きが円高トリガーです。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。
おそらく、今後の数週間以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
派生的な見方として、「トライアングルは105.915(6/21)を以て既に完成しており、そこからはC波によるドル安が始まっている」というものがあります。
いずれにしても、ここからは大幅なドル安を想定しています。
ただし106.517(4/16)を上抜く動きとなったときは、短期的なドル安見通しはいったん撤回され、別のオプションが必要になります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
☆こちらもオススメ
YouTube エリオットView 7月8日 [日経平均 '24年後半の見通し]
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~41,500円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 32,000~41,000ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~18,550
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~162.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
今年3月高値(41,087円)からの調整は第4波に位置付けられます。第4波は[トライアングル]を形成し、第2波(22年3月~6月)の[フラット]とは交互(オルタネーション)になっていました。
6月下旬から足元にかけての上昇は、22年3月安値(24,681円)を起点とするインターミディエイト級第(3)波における、マイナー級第5波に位置付けられます。
マイナー級の第1波は3657円幅、同第3波は15466円幅、各々上昇しています。第3波の長さは第1波に対し4.229倍(≒4.236)と大きく、それは延長(エクステンション)した波です。
したがって現行の第5波は延長せず─1・3・5波で延長するのはひとつだけ─その長さは第1波と同程度と考えられます。第1波と第5波が等しく上がる水準は[41,607円]であり、この付近を有力な上値メドとして注目できます。ちなみにTOPIXでは、第1波と第5波が等しく上がる水準は[2931]です。
なお、トライアングルに続いて起こる上昇(第5波)の特徴のひとつに、「とても強いが短期間で終了する」というものがあります。
これらを考え合わせると、➂波-(3)波「サード・オブ・サード」は7月~8月にも終了すると思われます。その後には➂波-(4)波の調整が到来、おそらく9~11月に4年サイクル底を付けることでしょう。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
3月高値からの第4波[トライアングル]は37,950円(6/17安値)を以て完成し、そこからは第5波による上昇が展開中とみられます。
7月8日には一時41,112円まで上昇しました。引き続き41,607円(既述)付近へ向けた上昇が続くと思われます。
一方、37,950円からの上昇に対し61.8%押し水準を終値で下回ったときは、既に第5波がピークを打ったことが示唆されます。今のところ、第5波の61.8%押し水準は39,158円です。

[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)以来、プライマリー級➃波展開中とみられます。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。
22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]。23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。
Y波は40,077ドル(5/20高値)で天井を打ち、➃-(C)波による下落が始まったかもしれません。この見方は38,000ドル(5/30安値)を下抜くことで強められます。そうなると当面は、200日MA※を目指し下落していく展開が想定されます。
※200日MA…37,312ドル(7/8)
もう一つの波動解釈は、Y波の(b)波が[トライアングル]を形成中であり、「最後の上昇」(c)波によって高値更新がある、というものです。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
40,077ドル(5/20高値)から38,000ドル(5/30安値)までは第(ⅰ)波による下落、そこから第(ⅱ)波によるリバウンドと位置付けられます。
7月8日、一時は279ドル高の39,654ドルまで上昇しましたが、大引けではプラスを維持できませんでした(34ドル安)。38,000ドルから足元までにみられるchoppyな上昇波形は、修正波としての特徴をよく示しています。第(ii)波リバウンドは終わったか、終わりつつあるとみられます。
38,000ドルを下抜くと、第(iii)波の下げに入った可能性が高く、短期的にも37,611ドル(4/18安値)を試すでしょう。
一方、38,000ドルが維持される限り、3月高値からの(b)波を[トライアングル]と解釈できます。
この見方によれば、NYダウは─大きな調整に入る前の─「最後の上昇」により40,077ドルを上抜く展開が想定されます。
[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます(あるいはプライマリー級第➄波)。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
➃-(B)波による上昇は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]編成です。今年4月安値(15,222)からは、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波による上昇とみられます。
7月8日には一時18,416まで上昇しましたが、これはフィボナッチ比率の節目に近いものです。
[18,551] ➃-(B)波の上昇幅が、➃-(A)波(21年11月~22年1月)による下落幅に対し1.382倍になる
波動構成からも水準面からも、ナスダックの(B)波高値は付けつつある、とみています。
引き続き注目ポイントは、6月11日~12日のギャップ(17,345-17,490)埋めです。ギャップ埋めは下落トレンド入りの証左となります。


【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
SOX指数は、5792(6/18高値)から(C)波による下落トレンドに入った可能性があります。
短期的な下値メドとして妥当なのは [5343-4988]、レッサーディグリー第(ⅳ)波の領域です。
5000水準を下回った後、想定される下値レンジは[4400-3900]です。
なお7月8日には一時5772まで上昇しており、目先的に5792を上抜くか、あるいはダブルトップとなるかが注目されます。5792を上抜いた場合には、(B)波による上昇はまだ完成していないことになり、調整入りは先送りされます。
[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。
【月足・エリオット波動分析】
ドル/円8年サイクル高値は161.938円(7/3)を以て終わったか、終わりつつある、とみています。
いまメディアやSNSを通じて「円買い介入でも円安は止められない」「1ドル=200円説」などという極端なフレーズが飛び交い、「円安は構造的なもの」と永久に円安が続くかのようにいわれていますが、結局のところ相場は循環論であり、誰もが納得しやすい相場の理屈や構造論が持ち込まれたとき、その相場は大抵終わりに近いものです。今回でいえば円安の終わりが近い、ということです。
現在の月足は、長期上昇チャネルの上側から大きく逸脱していますが─今月のチャネル上限は153.750円に位置します─このように「極端に上がり過ぎ」の状態は長続きせず、いずれチャネル内に回帰する公算が大きいと思われます。
いまの「円安パニック」「円安バブル」は、遠からず収まる可能性が高い、と筆者は考えます。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
A波の長さに対し、B波の長さが1.382倍になるとみた場合(これはノーマルな考え方です)、B波トップの目標値は161.350円です。この目標値は既に達成されており、B波はいつトップアウトしておかしくありません。
なおB波の後に続くC波(ドル安・円高)の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でした。ここから、C波の長さの標準は25円程度と思われます。

【日足・エリオット波動分析】
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒161円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安バブル』と呼べる過剰な円安ですが、それも今後は修正されていくと思われます。
[日米実質金利差による推計値]…147.791円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでおり、そうなれば日米実質金利差の縮小に沿ってドル/円は150円を下回っていくでしょう。

【時間足・エリオット波動分析】
昨年末の140.244円からのドル高・円安は、足元までに5つの波動がすべて揃っています。160.135円(4/29)は第ⅲ波トップ、そこからはトライアングルによる第ⅳ波を155.674円(6/12)まで形成し、そこからの上昇は第ⅴとカウントできます。
この第v波を以てドル/円がピークアウトした後には、大きなドル安・円高局面が続くことでしょう。
今後、第v波の上昇幅の61.8%が打ち消される動きが生じると、それを以てトレンド転換の最初のシグナル=「円高トリガー」が引かれます。
暫定的に、7月3日の161.938円を第v波終点とみなすと、[158.066円]が第v波の61.8%戻し水準です。このことにより、158円を下抜く動きが円高トリガーです。
[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。
おそらく、今後の数週間以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
派生的な見方として、「トライアングルは105.915(6/21)を以て既に完成しており、そこからはC波によるドル安が始まっている」というものがあります。
いずれにしても、ここからは大幅なドル安を想定しています。
ただし106.517(4/16)を上抜く動きとなったときは、短期的なドル安見通しはいったん撤回され、別のオプションが必要になります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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