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米経済指標やFOMC議事録に市場が反応!?

2024/07/03 08:58

【ポイント】
・米経済指標などで市場のFRB金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は161.245円、米ドル/カナダドルは1.36678カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.07419ドル、英ポンド/米ドルは1.26824へと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の低下や、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言が、米ドルの重石となりました。パウエル議長は「最近の米国の経済指標は、ディスインフレの軌道に戻りつつあることを示唆している」、「労働市場が予想外に弱まれば対応する」と述べました。それらの発言をややハト派的とみなしたようです。

その後発表された米国の5月JOLTS(労働動態調査)の求人件数が814万件と、市場予想の791万件を上回ると、米ドルは下げ渋りました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の経済指標が多く発表されます。その結果が材料になりそうです。

米経済指標の市場予想は以下の通りです。
・ADP雇用統計(6月):前月比16.0万人増
・新規失業保険申請件数(先週分):23.5万件
・ISM非製造業景況指数(6月):52.5

市場では、FRBは9月のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込むFRBの利下げの確率は、7月30-31日のFOMCで9%程度、9月17-18日までで67%程度です(日本時間3日08:45時点)。

ADP雇用統計などの米経済指標が市場予想と比べて強い結果になれば、FRBの利下げ観測が市場で後退すると考えられます。その場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。

本日はまた、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表され、ウィリアムズNY連銀総裁がECB(欧州中銀)フォーラムの討論会に参加します。議事録などでFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されれば、材料になる可能性があります。

鈴木財務相は2日、「政府の為替に対する考え方は変わらない」と述べ、必要があれば対応するとしました。「為替相場を注視している」、「市場の動きを注意深く見守っていく」とも述べました。「円安」けん制のトーンはあまり強く感じられませんでしたが、米ドル/円の上昇に弾みがつく場合に本邦当局は為替介入(米ドル売り・円買い介入)に踏み切るのか注目されます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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