【株価指数】米独立記念日前後の流動性低下に要注意
2024/07/01 06:54
【ポイント】
・日経平均やS&P500、ナスダック100は高値圏で推移
・今週は相場材料が多く、米独立記念日を挟んだ流動性低下にも要注意
先週(6/24- )のレビュー
日経平均は26日に4月上旬以来となる4万円に接近しましたが、その後は足踏み。NYダウは週明けに上昇して始まりましたが、その後は軟調に推移。S&P500とナスダック100は28日にザラ場で最高値を更新。ナスダック100は初の2万ポイントにタッチしました。ただ、両指数とも終値では18日の高値を超えられませんでした。FTSE100はNYダウと同様に軟調。英国やフランスでの議会選挙に関わる不透明感が全般的に欧州株の重石になりました。
日経平均は、「円安⇒輸出関連株」、「日銀利上げ観測⇒金融株」、「米ハイテク株反発⇒ハイテク株」と主役を代えながらも堅調に推移しました。ただ、米ドル/円が26日に160円を突破し、28日に一時161円台に乗せたことで、介入警戒感が日本株の重石となりました。
米株はハイテク株の動向に左右される展開でした。前週末からのエヌビディア株の軟調が週初めの株価の足を引っ張りましたが、同社株が反発したことが好感されました。GDP(国内総生産)や耐久財受注、PCE(個人消費支出)などの米国の経済指標が景気やインフレの鈍化を示唆し、長期金利(10年物国債利回り)が低下したことも株価を押し上げました。また、28日には、前夜のTV討論会でのトランプ氏優勢を受けて、米株は上昇して始まりました。ただ、引けにかけて期末(月末・四半期末・前期末)のポジション調整で長期金利が大幅に上昇すると、米株は下落して週を終えました。
今週(7/1- )の相場材料
今週は相場材料が多く、波乱含みの高値圏揉み合いといったところでしょうか。
米国では、金融政策見通しや長期金利の動向が重要な材料となりそう。3日のFOMC議事録(6月11-12日開催分)で、景気に対する懸念やインフレ鈍化への自信が示されれば、長期金利は低下し、株価にとってプラスとなりそう(市場の利下げ観測をけん制する内容となる可能性もありますが)。5日の雇用統計も同様。足もとで労働市場関連の指標はやや弱いものが増えており、雇用統計も軟調となれば、長期金利は低下しそうです。雇用統計前にも、JOLTS(労働動態調査)やADP統計の発表があります。4日が独立記念日で株・債券は休場。その前後も市場参加者は少なくなるとみられ、相場変動が増幅される可能性には要注意でしょう。
日本では、1日に日銀短観が発表されます(本稿執筆時点では未発表)。日銀の金融政策正常化の見通しを強化することになるでしょうか。次回7月の金融政策決定会合では、国債買入れ減額計画が決定される見通しですが、利上げについては6割程度しか織り込まれていません。米ドル/円の動きと本邦当局による為替介入の有無(+警戒感)も重要でしょう。米ドル/円は約38年ぶりの高値圏で推移しており、いつ介入があってもおかしくないでしょう。もっとも、4-5月に実施された9.8兆円の介入が結果的には「効果がなかった」との批判もありそうです。
7月4日には英国議会選挙。野党労働党が14年ぶりに政権を奪取するのが確実視されています。よほどのサプライズがなければ、市場の反応は限定的でしょう。
6月30日のフランス議会選挙では、ルペン氏のRN(国民連合)が最多得票となったようです。7日の決選投票では、マクロン大統領の与党連合と左派連合が極右RNの躍進を阻止すべく協力できるかが重要なカギを握りそうです。RNが他の政党と協力して過半数を確保するとの見方が強まれば、財政赤字の拡大懸念やEUやユーロ圏と対立するとの懸念が強まり、欧州全体でリスクオフの株安につながるかもしれません。
・日経平均やS&P500、ナスダック100は高値圏で推移
・今週は相場材料が多く、米独立記念日を挟んだ流動性低下にも要注意
先週(6/24- )のレビュー
日経平均は26日に4月上旬以来となる4万円に接近しましたが、その後は足踏み。NYダウは週明けに上昇して始まりましたが、その後は軟調に推移。S&P500とナスダック100は28日にザラ場で最高値を更新。ナスダック100は初の2万ポイントにタッチしました。ただ、両指数とも終値では18日の高値を超えられませんでした。FTSE100はNYダウと同様に軟調。英国やフランスでの議会選挙に関わる不透明感が全般的に欧州株の重石になりました。
日経平均は、「円安⇒輸出関連株」、「日銀利上げ観測⇒金融株」、「米ハイテク株反発⇒ハイテク株」と主役を代えながらも堅調に推移しました。ただ、米ドル/円が26日に160円を突破し、28日に一時161円台に乗せたことで、介入警戒感が日本株の重石となりました。
米株はハイテク株の動向に左右される展開でした。前週末からのエヌビディア株の軟調が週初めの株価の足を引っ張りましたが、同社株が反発したことが好感されました。GDP(国内総生産)や耐久財受注、PCE(個人消費支出)などの米国の経済指標が景気やインフレの鈍化を示唆し、長期金利(10年物国債利回り)が低下したことも株価を押し上げました。また、28日には、前夜のTV討論会でのトランプ氏優勢を受けて、米株は上昇して始まりました。ただ、引けにかけて期末(月末・四半期末・前期末)のポジション調整で長期金利が大幅に上昇すると、米株は下落して週を終えました。
今週(7/1- )の相場材料
今週は相場材料が多く、波乱含みの高値圏揉み合いといったところでしょうか。
米国では、金融政策見通しや長期金利の動向が重要な材料となりそう。3日のFOMC議事録(6月11-12日開催分)で、景気に対する懸念やインフレ鈍化への自信が示されれば、長期金利は低下し、株価にとってプラスとなりそう(市場の利下げ観測をけん制する内容となる可能性もありますが)。5日の雇用統計も同様。足もとで労働市場関連の指標はやや弱いものが増えており、雇用統計も軟調となれば、長期金利は低下しそうです。雇用統計前にも、JOLTS(労働動態調査)やADP統計の発表があります。4日が独立記念日で株・債券は休場。その前後も市場参加者は少なくなるとみられ、相場変動が増幅される可能性には要注意でしょう。
日本では、1日に日銀短観が発表されます(本稿執筆時点では未発表)。日銀の金融政策正常化の見通しを強化することになるでしょうか。次回7月の金融政策決定会合では、国債買入れ減額計画が決定される見通しですが、利上げについては6割程度しか織り込まれていません。米ドル/円の動きと本邦当局による為替介入の有無(+警戒感)も重要でしょう。米ドル/円は約38年ぶりの高値圏で推移しており、いつ介入があってもおかしくないでしょう。もっとも、4-5月に実施された9.8兆円の介入が結果的には「効果がなかった」との批判もありそうです。
7月4日には英国議会選挙。野党労働党が14年ぶりに政権を奪取するのが確実視されています。よほどのサプライズがなければ、市場の反応は限定的でしょう。
6月30日のフランス議会選挙では、ルペン氏のRN(国民連合)が最多得票となったようです。7日の決選投票では、マクロン大統領の与党連合と左派連合が極右RNの躍進を阻止すべく協力できるかが重要なカギを握りそうです。RNが他の政党と協力して過半数を確保するとの見方が強まれば、財政赤字の拡大懸念やEUやユーロ圏と対立するとの懸念が強まり、欧州全体でリスクオフの株安につながるかもしれません。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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