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【株価指数】S&P500とナスダック100が高値更新

2024/06/10 07:00

【ポイント】
・米長期金利低下が株高材料。強い雇用統計も株価にプラス!?
・今週は米FRBや日銀の政策会合に要注目
・金融政策見通しがどう変化し、長期金利がどう反応するか

先週(6/3- )のレビュー

S&P500とナスダック100は終値ベースで5日に高値をつけ、7日のザラ場(日中)にも高値を更新する場面がありました。NYダウはジリジリと上昇し、前週末から小幅高で週を終えました。日経平均は前週末から上昇してスタートしたものの、その後は揉み合いでした。FTSE100は揉み合いに終始しました。

5日にBOC(カナダ中銀)、6日にECB(欧州中銀)がそれぞれ0.25%の利下げを決定。予想される主要中銀の利下げの口火を切りました。BOC(のマックレム総裁)は追加利下げの可能性に言及。一方で、ECBは経済データ次第で会合ごとに判断する姿勢を強調したため、追加利下げ観測は後退しました。

週前半は、米ISM製造業景況指数JOLT(労働動態調査)求人件数などの米経済指標が弱く、前週末からの長期金利の低下が続き、株価の上昇に寄与。7日の雇用統計は強く、長期金利は大幅に反発しましたが、景気に対する懸念が後退したことが株価にとってプラスと判断されたようです。


今週(6/10- )の相場材料

今週は中央銀行ウィークの第2弾。12日(日本時間13日午前3時)に米FRBのFOMCの結果が判明。14日(正午ごろ)に日銀の金融政策決定会合の結果が判明します。

強い雇用統計を受けて、市場はFOMCでの利下げは年内1回、それも従来予想されていた9月は五分五分との見方に傾いています。FOMCの結果を受けて市場の利下げ観測がどう変化するか。また、7日に大幅上昇した長期金利がどう反応するかも重要なポイントとなりそうです。大きな材料となりそうなのが、声明文と同時に公表されるFOMCの経済・金融見通し。とりわけ、各参加者の金利見通しを1人1つの点(ドット)として表した「ドット・プロット」の中央値がどんな利下げペースを示唆するのか、要注目です。

FOMCの結果判明前に発表される米国の5月CPI(消費者物価指数)も重要でしょう。CPIは3カ月連続で強めになった後、5月15日に発表された4月分がインフレの落ち着きを示したと判断されて、長期金利が大幅に低下。株価の上昇要因となりました。

日銀は3月の会合で、マイナス金利を解除(=利上げ)し、YCC(イールドカーブ・コントロール)を廃止しました。今回は、国債買入れの減額を正式発表するかどうか。植田総裁は6日の国会答弁で「金融政策の正常化を進める際には国債買入れの減額が適当」との見解を示しており、会合で議論されることは間違いなさそう。

日銀が追加利上げを決定する可能性は低そうですが、市場で有力視されている7月に利上げする方向であれば、14日の会合および総裁会見で追加利上げの地ならしが行われるかもしれません。

BOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)は20日に結果が判明します。今週は賃金や失業率などの雇用関連指標、鉱工業生産などの経済データが発表されます。市場は9月のMPCで利下げが実施される可能性が高いとみているようですが、その観測がどう変化するか。株価にも影響がありそうです。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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