カナダ中銀は利下げ決定! ECB(欧州中銀)は?
2024/06/06 09:07
【ポイント】
・ECB総裁の会見で追加利下げのタイミングなどのヒントが示されるか
・カナダ中銀総裁は追加利下げを示唆、7月の可能性も!?
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は156.449円、米ドル/カナダドルは1.37368カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08519ドル、豪ドル/米ドルは0.66200米ドルへと下落しました。米国の5月ISM非製造業景況指数が53.8と、市場予想の50.8を上回ったことが、米ドルの支援材料となりました。BOC(カナダ中銀)が利下げすることを決定し、米ドル/カナダドルについてはそれも上昇要因となりました(*BOCの利下げについては後述)。
※ISM非製造業景況指数について詳しくは、本日6日の『ファンダメ・ポイント』[米サービス業は堅調、雇用は大丈夫か?]をご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、ECB(欧州中銀)理事会が開かれます。会合の結果は日本時間21時15分に発表され、21時45分からラガルドECB総裁が会見します。それらの結果が材料になりそうです。
ECBは23年9月に利上げを実施した後、前回4月の理事会まで5回連続で政策金利を据え置きました。現在の中銀預金金利は4.00%です(リファイナンスオペの最低応札金利は4.50%)。
ラガルド総裁をはじめECB理事会メンバーの多くは6月の理事会で利下げすることを示唆しており、本日の理事会では利下げを行うことが決定されると考えられます。利下げ幅は0.25%になりそうです。
ラガルド総裁の会見にも注目です。会見では、ECBの追加利下げのタイミングやペースについてのヒントが示されるかどうかが焦点になりそうです。市場では、ECBは9月に追加利下げを行うとの見方が有力です。ラガルド総裁の会見が先行きの利下げ観測を後退させる内容になれば、ユーロが堅調に推移して、ユーロ/円やユーロ/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
※ユーロ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/円、相場の力を溜め込む時間帯!ラガルド総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
米国の先週分の新規失業保険申請件数が発表されます(日本時間21:30)。新規失業保険申請件数の市場予想は22.0万件と、前回の21.9万件から若干増加するとみられています。市場予想よりも弱い結果になれば、米ドルの上値を抑える材料になる可能性があります。
***
BOC(カナダ中銀)は5日に政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.00%から4.75%に引き下げました。
BOCは声明で利下げについて、「基調的なインフレが和らいでいるというさらなる持続的な証拠により、金融政策はそれほど(景気)抑制的である必要がなくなったため」と説明しました。
マックレムBOC総裁は会合の会見で、「インフレ率が引き続き鈍化し、インフレ率が持続的に2%の目標に向かうとの確信が一段と強まるなら、追加利下げを予想するのが妥当だ」と発言。追加利下げを示唆しました。
7月に追加利下げを行う可能性があるのか?と問われると、マックレム総裁は「われわれは政策金利の決定を毎回の会合で行っている」と答え、「追加利下げのタイミングはデータ次第」と発言。次回7月24日の会合での追加利下げの可能性を否定しませんでした。
カナダの4月CPI(消費者物価指数)は、総合指数が前年比2.7%、トリム平均値が同2.9%、加重中央値が同2.6%。上昇率はいずれも3月(総合と加重中央値が2.9%、トリム平均値は3.2%)から鈍化しました。
BOCの次回7月の会合までに、カナダのCPIは5月分と6月分の2回発表されます(6/25と7/16)。CPI上昇率の鈍化が続く場合、BOCは7月の会合で追加利下げを行いそうです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。