米PCEは弱め、ユーロ圏CPIは強め
2024/06/01 07:47
【ポイント】
・米PCEコアの前月比がわずかに鈍化
・FRBの利下げ観測がやや高まる
・ユーロ圏CPIコアの前年比は23年6月以来の加速
・ECBの利下げ予想は年内3回⇒2回に
31日に発表された4月の米PCE(個人消費支出)デフレーターと5月のユーロ圏CPI(消費者物価指数)は強弱が対照的でした。前者がインフレの鈍化を、後者がインフレの加速を示唆しました。
31日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、FRBの利下げ観測がやや高まりました。ただ、市場のメインシナリオ(予想確率5割超)は「年内利下げは9月1回のみ、追加利下げは25年に入ってから」で変わらず。
一方、ECBの利下げ観測は後退。市場のメインシナリオは「年内利下げは6月と10月。3回目は25年3月」へと変わりました。CPI発表前は「利下げは6月、9月、12月の3回」でした(ただし、変化幅はわずかですが・・)。

米国の4月PCE(デフレーターでなく支出額の方)が実質で前月比マイナス0.1%と弱かったこともあり、米長期金利(10年物国債利回り)は低下。それに連れて米ドル/円は一時156.560円まで下落しましたが、その後すぐに切り返して157円台前半まで上昇しました。特に目立った材料はなかったようですが、それだけ金利差を意識した円の先安感が強いのかもしれません。
なお、財務省によれば、今年4月26日~5月29日の為替介入(外国為替平衡操作)の実績は9兆7,885億円でした。22年9-10月の実績は9兆1,881億円でした。
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米国の4月PCEデフレーターは、総合が前年比2.7%と、市場予想および前月と同じ。食料とエネルギーを除くコアは同2.8%と、こちらも市場予想および前月と同じでした。ただ、コアの前月比が0.2%と4カ月ぶりの低い伸びにとどまったことに市場は反応したようです(※)。
※もっとも、コアの前月比は0.249%なので、わずかな差で0.3%になるところでした。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目するPCEコアサービス(住居費を除く)は前年比3.4%と、前月(3.5%)から伸びがわずかに鈍化しました。ただ、昨年終盤までみられた鈍化傾向は今年に入ってやや足踏み状態になっています。

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ユーロ圏の5月CPI(速報値)は、総合が前年比2.6%(市場予想2.5%、4月実績2.4%)、エネルギー・食品・アルコール・タバコを除くコアが前年比2.9%(市場予想2.7%、4月実績2.7%)。いずれも上振れしました。コアの前年比から前月より高くなったのは昨年6月以来のこと。
・米PCEコアの前月比がわずかに鈍化
・FRBの利下げ観測がやや高まる
・ユーロ圏CPIコアの前年比は23年6月以来の加速
・ECBの利下げ予想は年内3回⇒2回に
31日に発表された4月の米PCE(個人消費支出)デフレーターと5月のユーロ圏CPI(消費者物価指数)は強弱が対照的でした。前者がインフレの鈍化を、後者がインフレの加速を示唆しました。
31日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、FRBの利下げ観測がやや高まりました。ただ、市場のメインシナリオ(予想確率5割超)は「年内利下げは9月1回のみ、追加利下げは25年に入ってから」で変わらず。
一方、ECBの利下げ観測は後退。市場のメインシナリオは「年内利下げは6月と10月。3回目は25年3月」へと変わりました。CPI発表前は「利下げは6月、9月、12月の3回」でした(ただし、変化幅はわずかですが・・)。

米国の4月PCE(デフレーターでなく支出額の方)が実質で前月比マイナス0.1%と弱かったこともあり、米長期金利(10年物国債利回り)は低下。それに連れて米ドル/円は一時156.560円まで下落しましたが、その後すぐに切り返して157円台前半まで上昇しました。特に目立った材料はなかったようですが、それだけ金利差を意識した円の先安感が強いのかもしれません。
なお、財務省によれば、今年4月26日~5月29日の為替介入(外国為替平衡操作)の実績は9兆7,885億円でした。22年9-10月の実績は9兆1,881億円でした。
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米国の4月PCEデフレーターは、総合が前年比2.7%と、市場予想および前月と同じ。食料とエネルギーを除くコアは同2.8%と、こちらも市場予想および前月と同じでした。ただ、コアの前月比が0.2%と4カ月ぶりの低い伸びにとどまったことに市場は反応したようです(※)。
※もっとも、コアの前月比は0.249%なので、わずかな差で0.3%になるところでした。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目するPCEコアサービス(住居費を除く)は前年比3.4%と、前月(3.5%)から伸びがわずかに鈍化しました。ただ、昨年終盤までみられた鈍化傾向は今年に入ってやや足踏み状態になっています。

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ユーロ圏の5月CPI(速報値)は、総合が前年比2.6%(市場予想2.5%、4月実績2.4%)、エネルギー・食品・アルコール・タバコを除くコアが前年比2.9%(市場予想2.7%、4月実績2.7%)。いずれも上振れしました。コアの前年比から前月より高くなったのは昨年6月以来のこと。

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