米長期金利は続伸、ベージュブックは落ち着いた内容
2024/05/30 08:01
【ポイント】
・29日の米長期金利は一時4.636%
・大きな材料に乏しく、ジリジリと上昇
・債券相場の地合いの悪さを示唆
・ベージュブックは景気や雇用の鈍化を報告
米長期金利(10年物国債利回り)は29日に続伸。7年物国債入札が不調に終わる直前に4.636%をつけました。

■米ドル/円については、本日のテクニカル・ポイント「米ドル/円、もう一段の上値追いとなるか」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
29日に公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)は、景気や雇用の鈍化傾向を報告。物価についても、インフレ懸念を高めるような内容ではありませんでした(後述)。最近の長期金利の上昇は、特定の経済指標などの大きなサプライズを受けて急騰するというより、(国債入札の不調などの材料はあっても)日中にジリジリと上昇している印象です。債券相場の地合いは相当に悪化しているのかもしれません。米長期金利の動向には引き続き要注意でしょう。
■29日付け「米FOMCを控えて、長期金利の上昇は続くか」もご覧ください。
*******

ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、「経済活動は引き続き拡大したものの、業種や地区によって状況は異なる」とのこと。「ほとんどの地区がわずか、あるいは緩やかな成長。残り2地区は横ばい」で、これは前回(4月17日公表)と同じ評価です。
個人消費は、横ばい~わずかに増加。消費者は価格に敏感であり、裁量的支出は弱いと報告されました。自動車販売はほぼ横ばいで、数地区ではメーカーによる値引きがみられました。旅行・観光は好調でしたが、夏場に向けた見通しは強弱まちまちでした。
製造業活動は横ばいから上向きとされましたが、2地区では低下しました。住宅の需要は緩やかに増加しましたが、金利の上昇が販売に影響しているとの報告もありました。
企業は先行きに関しては、不確実性や下方リスクが高まったとしてやや悲観度が増しました。
雇用はわずかに増加。8地区(←前回は9地区)でわずかに増加する一方で、4地区(←同3地区)で横ばいでした。特定の業種や地域で労働者が不足していたものの、過半数の地区で労働者の供給が増えました。また、複数の地区で転職が減少し、多くの地区で採用計画が見直されているとのこと。
賃金は概ね緩やかに増加したものの、数地区では伸びが鈍りました。数地区では賃金の伸びがコロナ前に戻ったか、戻りつつあるとのこと。
物価はわずかに上昇しました。消費者は値上げに抵抗し、結果として企業の利ザヤは縮小しています。投入コストは増加しているものの、一部の建築資材や製造業の原材料の価格は下落したとのことでした。
・29日の米長期金利は一時4.636%
・大きな材料に乏しく、ジリジリと上昇
・債券相場の地合いの悪さを示唆
・ベージュブックは景気や雇用の鈍化を報告
米長期金利(10年物国債利回り)は29日に続伸。7年物国債入札が不調に終わる直前に4.636%をつけました。

■米ドル/円については、本日のテクニカル・ポイント「米ドル/円、もう一段の上値追いとなるか」をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
29日に公表されたベージュブック(地区連銀経済報告)は、景気や雇用の鈍化傾向を報告。物価についても、インフレ懸念を高めるような内容ではありませんでした(後述)。最近の長期金利の上昇は、特定の経済指標などの大きなサプライズを受けて急騰するというより、(国債入札の不調などの材料はあっても)日中にジリジリと上昇している印象です。債券相場の地合いは相当に悪化しているのかもしれません。米長期金利の動向には引き続き要注意でしょう。
■29日付け「米FOMCを控えて、長期金利の上昇は続くか」もご覧ください。
*******

ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、「経済活動は引き続き拡大したものの、業種や地区によって状況は異なる」とのこと。「ほとんどの地区がわずか、あるいは緩やかな成長。残り2地区は横ばい」で、これは前回(4月17日公表)と同じ評価です。
個人消費は、横ばい~わずかに増加。消費者は価格に敏感であり、裁量的支出は弱いと報告されました。自動車販売はほぼ横ばいで、数地区ではメーカーによる値引きがみられました。旅行・観光は好調でしたが、夏場に向けた見通しは強弱まちまちでした。
製造業活動は横ばいから上向きとされましたが、2地区では低下しました。住宅の需要は緩やかに増加しましたが、金利の上昇が販売に影響しているとの報告もありました。
企業は先行きに関しては、不確実性や下方リスクが高まったとしてやや悲観度が増しました。
雇用はわずかに増加。8地区(←前回は9地区)でわずかに増加する一方で、4地区(←同3地区)で横ばいでした。特定の業種や地域で労働者が不足していたものの、過半数の地区で労働者の供給が増えました。また、複数の地区で転職が減少し、多くの地区で採用計画が見直されているとのこと。
賃金は概ね緩やかに増加したものの、数地区では伸びが鈍りました。数地区では賃金の伸びがコロナ前に戻ったか、戻りつつあるとのこと。
物価はわずかに上昇しました。消費者は値上げに抵抗し、結果として企業の利ザヤは縮小しています。投入コストは増加しているものの、一部の建築資材や製造業の原材料の価格は下落したとのことでした。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。