マネースクエア マーケット情報

米FOMC参加者やECB専務理事の発言に注目

2024/05/28 09:02

【ポイント】
・市場のFRBECBの金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

27日、欧米時間の外為市場では、豪ドルやNZドルが堅調に推移。一時、豪ドル/米ドルは0.66543米ドル、NZドル/米ドルは0.61474米ドル、豪ドル/円は104.397円、NZドル/円は96.479円へと上昇。NZドル/円は、07年7月以来およそ17年ぶりの高値をつけました。豪ドル買いやNZドル買いにつながるような新たな材料は特に見当たらず、米国と英国が祝日で市場の流動性が低下していたことで値動きが増幅されたと考えられます。

ビルロワドガロー・フランス中銀総裁がインタビューで、「ECB(欧州中銀)が6月の理事会で利下げするのは既定路線だ」と述べました。「7月(の追加利下げ)について今からコミットすべきとは言わないが、利下げのタイミングとペースに関しては自由度を維持しておきたい」とも語り、6月と7月の連続利下げもあり得ることを示しました。ビルロワドガロー総裁はまた、「(ECBの)利下げ余地はかなりある」との認識を示しました。これらを受けて、ユーロ/円は169.899円、ユーロ/米ドルは1.08350ドル、ユーロ/英ポンドは0.84958ポンドへと下落する場面がありました。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の5月消費者信頼感指数が発表されます(日本時間23:00)。消費者信頼感指数が市場予想の95.9からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。

ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)理事メスター・クリーブランド連銀総裁カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の発言機会があります。市場では、FRBは9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの観測があります。ボウマン理事らFOMC参加者の発言を受けて、市場の金融政策見通しが変化するかどうかに注目です。9月の利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移して米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。

本日はまた、シュナーベルECB(欧州中銀)専務理事の発言機会もあります。市場では“ECBは次回6月6日の理事会で利下げを行う”と予想しており、市場の関心は“7月以降の利下げペース”へと移っています。シュナーベル専務理事がECBの金融政策の先行きについての手掛かりを提供すれば、ユーロが反応しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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