日米金利差が縮小、それでも「円安」は続く??
2024/05/28 07:51
【ポイント】
・日本の長期金利は12年ぶり高値を更新
・米長期金利は上昇基調も4月下旬の高値を大きく下回る
・日米金利差の縮小と米ドル/円の堅調は今後も続くのか
27日、日銀の植田総裁は国際会議の講演で、2%のインフレ目標の実現に向けて「注意深く進んでいくつもりだ」と述べました。一方、内田副総裁は同じ会議で、「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉は視野に入った」と述べました。
それらを受けて、日本の長期金利(10年物国債利回り)は一段と上昇して12年ぶりの高値を更新、一時1.030%をつけました。長期金利は3月下旬には0.700%近辺でしたが、そこからジリジリと上昇を続けています。日銀の国債買入れ減額があり、また追加利上げへの期待が高まっているからです。

他方、米国の長期金利は5月に入って低下基調となり、4月CPI発表の翌日16日には一時4.309%をつけました。中旬以降は反発しているものの、24日時点で4.465%と4月25日の高値4.704%を大きく下回っています(27日は休場)。

結果として、日米長期金利差は縮小傾向にあります。それでも米ドル/円は比較的堅調に推移しています。そうした状況が今後も続くのか、それともどこかで(米ドル/円の下落という形で?)修正が入るのか。引き続き要注目でしょう。

以下では、5月14日付け「日銀は国債買入れを減額、円安対策も⁉」の分析で用いた米ドル/円の推計結果をアップデートしました。
*******
日米長期金利差を用いた推計式に基づくと、27日時点(※)の米ドル/円の推計値は148.586円。実勢値はこれを8円程度上回っており、かい離は拡大を続けています。
※27日は米債券市場が休場のため、米長期金利は24日の終値
推計式:(米ドル/円)=85.15+18.38*(日米長期金利差)
推計期間:24年1月3日~4月30日 決定係数R2=0.76


・日本の長期金利は12年ぶり高値を更新
・米長期金利は上昇基調も4月下旬の高値を大きく下回る
・日米金利差の縮小と米ドル/円の堅調は今後も続くのか
27日、日銀の植田総裁は国際会議の講演で、2%のインフレ目標の実現に向けて「注意深く進んでいくつもりだ」と述べました。一方、内田副総裁は同じ会議で、「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉は視野に入った」と述べました。
それらを受けて、日本の長期金利(10年物国債利回り)は一段と上昇して12年ぶりの高値を更新、一時1.030%をつけました。長期金利は3月下旬には0.700%近辺でしたが、そこからジリジリと上昇を続けています。日銀の国債買入れ減額があり、また追加利上げへの期待が高まっているからです。

他方、米国の長期金利は5月に入って低下基調となり、4月CPI発表の翌日16日には一時4.309%をつけました。中旬以降は反発しているものの、24日時点で4.465%と4月25日の高値4.704%を大きく下回っています(27日は休場)。

結果として、日米長期金利差は縮小傾向にあります。それでも米ドル/円は比較的堅調に推移しています。そうした状況が今後も続くのか、それともどこかで(米ドル/円の下落という形で?)修正が入るのか。引き続き要注目でしょう。

以下では、5月14日付け「日銀は国債買入れを減額、円安対策も⁉」の分析で用いた米ドル/円の推計結果をアップデートしました。
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日米長期金利差を用いた推計式に基づくと、27日時点(※)の米ドル/円の推計値は148.586円。実勢値はこれを8円程度上回っており、かい離は拡大を続けています。
※27日は米債券市場が休場のため、米長期金利は24日の終値
推計式:(米ドル/円)=85.15+18.38*(日米長期金利差)
推計期間:24年1月3日~4月30日 決定係数R2=0.76


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