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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※5月17日更新

2024/05/17 10:52

宮田レポート

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~39,400円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 36,000~40,700ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,850

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~161.350円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350



[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
24,681円(22/3/9安値)以来、➂-(3)波による上昇トレンドが進行中とみられます。この「サード・オブ・サード」による大ラリーが終わるのは、おそらく2025年以降のことでしょう。

41,087円(3/22高値)から、(3)-4波による調整局面とみています。

(3)-2波は、およそ半年間の[フラット]でした。[オルタネーション(交互)]に従い、3月高値からの (3)-4波は[ジグザグ]か[トライアングル]を形成すると思われます。

日経平均は3万5000円~3万4000円まで下押す可能性がありますが、そんな下げを以て(3)-4波は終わり、(3)-5波の上昇が始まるとみています。

日経平均が最終的に底打ちするのは(現行4年サイクルが終わるのは)今年11月までのどこかの時点、特に6月頃を注目しています。
4年サイクル(48カ月)の伸びしろ(オーブ)は8カ月(48カ月の六分の一)です。20年3月から4年8カ月が経過する時点が今年11月です。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
41,087円(3/22高値)以来、第4波による調整が進行中とみています。
36,733円(4/19安値)からは(100日MAにサポートされた格好です)、第4波におけるリバウンド局面が続いています。
昨年6月から10月までの停滞期においても、8月下旬に100日MAがサポートとして意識され(チャートに↑で示した時点)、日経平均は9月下旬までリバウンドしたことがあります。

決算発表シーズンが終わりました。日経新聞によると、上場企業25年3月期の純利益は前期比4%減の5年ぶり減益予想となっています。

一方需給面では、裁定買い・信用買いともに大きく膨らんでいます。信用買い残は18年ぶり大きさ(4兆8645億円、4月19日時点)から減り始めていますが、いまだに高水準(4兆6979億円、5月10日時点)であることに変わりありません。当面は戻り売り圧力が強いと思われ、日経平均の調整は継続しやすいでしょう。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
36,733円(4/19安値)からはX波によるリバウンドとみられます。
5月16日高値(38,949円)は、3月高値からの下げ半値戻り[38,910円]に相当しており、リバウンド終了かもしれません。
この見方は37,969円(5/13安値)を下回ることで強化されます。そうなると、日経平均はY波の下げにより、以下の下値メドを順次試していくでしょう。

[35,813円]…マルv波上昇の半値(50%)押し水準
[35,657円]…第(iii)波のレッサー・ディグリーⅳ波安値
[35,371円]…1月18日安値
[35,179円]…上昇第3波(22年10月3日・25,621円が起点)の38.2%押し水準
[34,924円]…高値から15%下げ
[200日MA=34,631円](4/26)
[32,870円]…高値から20%下げ

ただし37,969円を維持する限りはリバウンドは継続し、引き続き[39,424円](3月からの下げに対する61.8%戻り)を打診する可能性があります。
【5月16日 15:34更新】



[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波を展開中とみています。22年10月からの上昇は➃波における(B)波であり、それは「不規則天井(イレギュラー・トップ)」です。(B)波の後に続く(C)波の下落スケールは、(A)波の下落(22年1月~22年10月)に匹敵するか、あるいは、より大きなものになるでしょう。

NYダウは5月15日に過去最高値を更新し、翌16日には初の4万ドルに一時乗せました。
3月高値39,889ドルは(B)波の終点でなかったことが判明しましたので、今回より次のように波動カウントを改めます。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする➃波中(B)波の上昇は、ダブル・ジグザグ[W-X-Y]を形成している、とみられます。そのうち、23年10月安値(32,327ドル)からの上昇はY波ジグザグ[(a)-(b)-(c)]です。

5月16日にNYダウは一時40,051ドルまで上昇、以下のチャート節目が視野に入っています。
[40,120ドル]…(A)波の下落幅に対し1.382倍が(B)波の長さ
[40,690ドル]…上記ダブル・ジグザグにおいて、W波とY波の上昇幅が1:1.382
【5月17日8:34更新】




[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値16,212からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波における(B)波が、22年12月から進行中です。

➃-(B)波による上昇はこれまで、[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]を形成しています。直近安値15,222(4/19)からの上昇は、Y波(ⓐ-ⓑ-ⓒ)中ⓒ波に位置付けられます。

ナスダックは5月16日に一時16,797まで上昇しましたが、これにより、W波とY波が等しく上がる水準[16,783]を達成しました。ナスダックの不規則天井(イレギュラートップ)は、いつ付けてもおかしくないと思われます。

はたして「5月に売れ」という相場格言は、今年は有効でしょうか? 短期的動向に引き続き注目です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらのパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]の場合、 (C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

22年10月安値(2089)以来の上昇(B)波は[ダブル・ジグザグ(W-X-Y)]、4月安値(4287)からはY波中ⓒ波の上昇とカウントされます。順当にいけばSOX指数は、NYダウ、ナスダックなどと同じように最高値を更新するでしょう。

なお5月22日のエヌビディア決算(日本時間では23日午前5時20分頃)に対する市場の反応がどうなるか、大いに注目したいところです。
【5月17日 10:05更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。直近の34年ぶりドル高・円安も基本的には、レンジ相場内の値動きの一環です。

【月足・エリオット波動分析】 

22年10月(151.899円)以来、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波が進行中です。
このⓍ波は2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

ドル/円は4月29日の160.135円を以て、8年サイクル高値※を付けた可能性があります。
日柄面ではちょうど34年ぶり(フィボナッチ数)に90年4月高値(160.360円)に「里帰り」を果たし、水準面では第(Ⅲ)波中レッサー・ディグリー第Ⅳ波の高値に一致しています。

※およそ8年間隔でドル/円高値が巡る『8年サイクル』を振り返ると、過去もっとも長いサイクル期間は106カ月(98年8月~07年6月)でした。前回サイクル高値(15年6月)から106カ月経過時点が24年4月です。併せてマンスリー・フォーカス(5/8付)もご覧ください。

【週足・エリオット波動分析】 
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。

160.135円をB波終点とみなすと、B波の長さはA波に対し1.333倍になります。B波はA波の1倍超~1.382倍の範囲内で通常は決まりますが、今回のB波もノーマルな範囲内に収まっています。ちなみにA波の1.382倍ならB波トップの目標値は161.350円です。

160.135円(4/29)からC波による下落局面(ドル安・円高)が進行中とみられます。
このC波は今後140円~135円を試す可能性がある、と筆者はみています。

【日足・エリオット波動分析】
23年1月以来のB波によるドル/円上昇は、[ダブル・ジグザグ]編成で160.135円(4/29)を以て完了したとみられます。

4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒160円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機がもたらした可能性が高い。8兆円規模の政府・日銀による円買い覆面介入(4/29~5/2)は、時宜を得たものだったといえるでしょう。

日米実質金利差による試算では、現在の妥当なドル/円水準は149.185円程度であり、150円を下回り始めています。

筆者は米長期金利が今後大きく下げドル安が進むとみていますが、そうなれば、日米実質金利差の縮小を反映して、ドル/円は150円を下回っていくでしょう。

そのような局面においては、投機筋と個人投資家の過剰な円売りポジションも解消され、ドル/円の下げは一段と大きくなることが想定されます。


【時間足・エリオット波動分析】
160.135円(4/29)から151.844円(5/3)までの下落(円高)は、「リーディング・ダイアゴナル」による第i波とカウントされます。そこからのリバウンド(第ii波)は、によるリバウンドに位置付けられます。

156.704円(5/14)は、第i波に対する61.8%戻り[159.967円]に近似となっています。水準面では第ii波完了とみることができます。

一方、第ii波がジグザグ(a-b-c)であれば、目先的に156.704円を抜ける動きが想定されますが、その動きを以て第ii波は終わると考えられます。

いずれにしても、この第ii波を経てドル/円は、第iii波によるドル安・円高局面を迎えるとみています。その際は、まずは150円処を試すでしょう。
【5月17日10:21更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】 
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中であり、足元はⓓ波のドル安局面が進行中です。

おそらく今後の数週間~3カ月以内にB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。

【日足・エリオット波動分析】 
106.517(4/16高値)からⓓ波によるドル安が進行中です。5月16日には一時104.080と103.880(4/9安値)に近づき下げ渋る動きとなっています。200日MAも意識されやすく、短期的にはリバウンドの可能性がありそうです。

もっとも遠からず[102.358-100.617]を目指すでしょう。102.358は3月8日安値のことですが、このレベルは、ⓒ波のドル高に対する61.8%戻り[102.357]に一致する、強いサポートレベルと思われます。

このⓓ波の後にⓔ波によるドル高局面が続きます。現行波動カウントに従えば、ⓔ波が106.517を上回ることはありません。このⓔ波をもってトライアングルB波は完成し、C波による本格ドル安を迎えるでしょう。
【5月17日10:34更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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