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【速報】米CPIは上振れ、7月FOMCの利下げも微妙に⁉

2024/04/10 21:56

【ポイント】
・3月米CPIは総合、コアとも市場予想に比べて上振れ
・6月利下げ観測は大きく後退、7月利下げも微妙に
・11日早朝のFOMC議事録で新しいヒントが出てくるか
・米ドルは一時152円台半ばまで上昇、介入はあるか


米国の3月CPI(消費者物価指数)は食料とエネルギーを除くコアが3カ月連続で強め。FRBの利下げ観測は大きく後退しました。<日本時間10日午後10時現在、以下同じ>。

CPI発表後に米長期金利(10年物国債利回り)は大幅に上昇、一時昨年11月以来となる4.50%を示現。米ドル/円は一時152円台半ばまで上昇しました。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、CPI発表後に市場が織り込む利下げの確率は5月が約1%、6月が2割強(CPI発表前は5割強)、7月が約5割(同ほぼ10割)。確実視されていた7月の利下げもかなり微妙になったようです。

日本時間11日午前3時に公表されるFOMC議事録(3月18-19日開催分)が金融政策見通しに新たな材料となるか。そして、米ドル/円が22年10月と23年11月に超えられなかった152円を超えてきたことで、本邦当局が米ドル売り円買い介入に踏み切るのか。大いに注目でしょう。

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3月CPIは総合が前年比3.5%と、前月(3.2%)から伸びが高まり、市場予想(3.4%)も上回りました。食料とエネルギーを除くコアは前年比3.8%と前月と同じながら、市場予想(3.7%)を上回りました。CPIコアは前月比0.4%と、前月同様に昨年5月に並ぶ高い伸びとなりました。

米CPI

また、CPIコアは3カ月前比年率でみれば、昨年8月の2.6%を底にジリジリと伸びが高まっています。6カ月前比年率でみても、昨年11月の3.1%から伸びが高まっているように見えます。両者とも3月に一段と伸びが高まりました。3カ月前比年率や6カ月前比年率は月々のブレが大きいとはいえ、トレンドの変化を早めに捉えることもできるので(その分ダマシが多くなりますが)、インフレ再加速の可能性には要注意かもしれません。

CPI3カ月前比年率

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているCPIコアサービス(住居費を除く)は前年比5.0%と、昨年4月以来の高い伸び。昨年9月の3.7%をボトムに伸びが高まっています。

コアサービス 住居費除く
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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