マネースクエア マーケット情報

米ISM、1年半ぶりに製造業の拡大を示唆

2024/04/02 07:54

【ポイント】
・3月ISM製造業景況指数は1年半ぶりに50超
・GDPNowは1-3月期GDPを前期比年率2.8%と予想
・雇用統計等で米景気堅調が確認されれば、利下げ観測後ろズレも

米国の3月ISM製造業景況指数は50.3と、前月の47.8から上昇。22年9月以来の50超となり、1年半ぶりに製造業部門の拡大を示唆しました。

ISM製造業景況指数

※ISM製造業景況指数は、前月に比べて「改善した」と回答した企業の割合に「横ばい」と回答した企業の割合の2分の1を加えたDI(ディフュージョン・インデックス)。定義上50.0が製造業の拡大と縮小の境界。また、発表元のISM(供給管理協会)によると、経験的に42.5が景気全体の拡大と縮小の境界とのこと。

ISMによれば、3月の同指数50.3が継続すれば、GDPの前期比年率2.2%の成長ペースと整合的とのことです。

ISM指数や同日発表の2月建設支出のデータを投入した結果、アトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)1-3月期GDPを前期比年率2.8%と予測。これは3月29日(2月PCE発表後)時点の予測2.3%から上方修正です。

*******
ISM指数の発表を受けて、長期金利(10年物国債利回り)は10bp(ベーシスポイント=1/100%)超上昇。米ドル/円は一時151.744円まで上昇。

1日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む6月FOMCでの利下げ確率は一時70%超から55%まで低下しました(終値で62%)。5日の3月雇用統計などで米景気の堅調が確認されれば、市場のメインシナリオ(OISの確率50%超)が「6月利下げ開始」から「7月以降の利下げ開始」に変化し、米ドル/円のプラス材料になるかもしれません。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ