日銀は緩和策修正か!? 豪中銀は政策金利を据え置きへ
2024/03/19 08:50
【ポイント】
・日銀はマイナス金利の解除など金融緩和策を修正するか
・日銀総裁は今後の金融政策についてどのような見解を示すか
・豪中銀のタカ派的な政策スタンスは変化するか
(欧米市場レビュー)
18日の欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は149.300円近辺へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08651ドル、英ポンド/米ドルは1.27178ドル、豪ドル/米ドルは0.65497米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
本日は、日銀の金融政策決定会合が開かれます。会合の結果は通常正午前後に発表され、15時30分から植田総裁が会見します。
市場では、日銀は金融緩和策を修正してマイナス金利を解除するとの見方が強まっています。また、YCC(イールドカーブ・コントロール。長短金利操作)の撤廃やETF(上場投資信託)などの買い入れ終了も決定するとの観測があります。
これまでの報道によって緩和策の修正は市場にかなり織り込まれたと考えられます。緩和策が修正されたとしても、植田総裁が会見で追加利上げに慎重な姿勢を示せば、米ドル/円やクロス円はそれほど下落しないかもしれません。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は、[日銀の金融政策決定会合:米ドル/円の初期反応は?]です。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[注目の日銀会合!米ドル/円は方向性模索の相場付き]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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RBA(豪中銀)の政策会合も本日開かれます。会合の結果は日本時間12時30分に発表され、13時30分からブロック総裁が会見します。
RBAは23年11月に0.25%の利上げを行った後、12月と24年2月の2会合連続で政策金利を4.35%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれると考えられます。
その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。
前回2月5-6日の会合以降に発表された豪州の経済指標は弱めの結果が目立ちます。23年10-12月期のGDP(国内総生産)は前期比0.2%と市場予想の0.3%を下回り、1月の失業率は4.1%と市場予想の4.0%よりも弱く、1月のCPI(消費者物価指数)は前年比3.4%と市場予想の3.6%を下回りました。
声明や総裁会見では、RBAのタカ派的な金融政策スタンスが弱まるかどうかに注目です。RBAは前回会合時の声明で「さらなる金利の上昇を排除できない」とし、追加利上げに含みを持たせました。タカ派的なスタンスに変化がなければ、豪ドルが全般的に堅調に推移して、豪ドル/米ドルや豪ドル/NZドルは上昇しそうです。豪ドル/NZドルの目先の上値メドとして、1.08272NZドル(1/23高値)が挙げられます。
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