米経済指標やECB理事会メンバー発言が材料になりそう
2024/03/14 09:06
【ポイント】
・市場のFRBやECBの金融政策見通しが変化するか
・日銀の金融政策について新たな報道が出てくるか
(欧米市場レビュー)
13日の欧米時間の外為市場は、比較的落ち着いた値動き。おおむね米ドル/円は147.500~148.000円、ユーロ/円は161.500~161.900円、豪ドル/円は97.600~97.900円のレンジで推移しました。米国の主要な経済指標の発表がなく、新たな材料に乏しいなか、市場では様子見ムードが漂いました。
ビルロワドガロー・フランス中銀総裁は「インフレとの闘いで勝利が見えてきた」と述べました。また、「ECB(欧州中銀)は春に利下げを行う可能性が高い」との認識を示し、欧州では4月から6月21日までが春だと語りました。次回のECB理事会は4月11日、その次は6月6日に開かれます。ビルロワドガロー総裁の発言に対してユーロは反応薄でした。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の2月PPI(生産者物価指数)や2月小売売上高、先週分の新規失業保険申請件数が発表されます。それらの結果が材料になりそうです。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・PPI(前年比):1.1%(0.9%)
・コアPPI(前年比):1.9%(2.0%)
・小売売上高(前月比):0.8%(マイナス0.8%)
・小売売上高(除自動車、前月比):0.5%(マイナス0.6%)
・新規失業保険申請件数:21.8万件(21.7万件)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月11-12日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です(3月19-20日と4月30日-5月1日のFOMCについては、政策金利の据え置きを予想)。
PPIなどが市場予想よりも強い結果になれば、利下げ観測が後退する可能性があります。その場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは下値を試す展開になりそうです。米ドル/カナダドルは1.36014カナダドル(2/28高値)が目先の上値メドです。
※豪ドル/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/米ドル、もう一段の上値トライとなるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
本日はまた、ECB(欧州中銀)理事会メンバーの発言機会が多くあります。デギンドスECB副総裁やシュナーベルECB専務理事、クノット・オランダ中銀総裁、デコス・スペイン中銀総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁が講演する予定です。
市場では、ECBは6月6日の理事会で利下げを行うとの見方が有力です(次回4月11日の理事会では、政策金利の据え置きを予想)。ECB理事会メンバーがその観測を強めるような発言をすれば、ECBの利下げ観測が強まるとともに、ユーロが軟調に推移する可能性があります。ユーロ/英ポンドは0.84932ポンド(2/13安値)が下値メドです。
「日銀は3月18-19日の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除を議論する」との報道があります。日銀の金融政策に関して新たな報道が出てくれば、材料になるかもしれません。18-19日の決定会合でマイナス金利が解除されるとの観測が市場で強まる場合、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)の上値を抑える要因になりそうです。
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