本日は春闘の集中回答日! 米ドル/円やクロス円が反応しそう
2024/03/13 08:54
【ポイント】
・春闘の結果で日銀の3月の金融政策修正観測が強まるかどうか
・米長期金利の動向にも注目、長期金利が上昇すれば米ドルが堅調に推移か
(欧米市場レビュー)
12日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は148.079円、米ドル/カナダドルは1.35209カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08872ドル、豪ドル/米ドルは0.65699米ドルへと下落しました。米国の2月CPI(消費者物価指数)が発表され、総合指数は前年比3.2%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数は同3.8%と、いずれも市場予想(3.1%と3.7%)を上回りました。それを受けてFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が若干後退し、米ドルの支援材料となりました。
※CPIについては、本日13日の『ファンダメ・ポイント』[米CPIは2カ月連続で強め、利下げ観測はわずかに後退]にて解説していますので、ご覧ください。
円は軟調。一時、ユーロ/円は161.468円、豪ドル/円は97.634円、NZドル/円は90.992円へと上昇しました。植田日銀総裁が参院財政金融委員会で、足もとの日本の景気について「一部の統計に弱めの動きがうかがわれる」と述べたことが、円の重石となりました。
(本日の相場見通し)
市場では、日銀は3月18-19日か、その次の4月25-26日のいずれかの金融政策決定会合で金融政策を修正する(マイナス金利の解除など)と予想しています。
本日は、大手企業の春闘の集中回答日です。また、15日には連合(日本労働組合総連合会)が春闘の第1回回答集計を発表します。日銀は賃上げの動向が金融政策修正(マイナス金利の解除など)の重要な判断材料になると示唆しているため、それらの結果に注目です。
春闘が3月の金融政策修正観測を強めるような結果になれば、円が堅調に推移して、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円、豪ドル/円など)は下値を試す展開になりそうです。
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米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向も材料になる可能性があります。米国のCPIが市場予想を上回ったことで米長期金利は12日に上昇し、4.15%でNY時間を終えました(11日は4.10%で終了)。
本日もCPIの結果が引き続き意識されて、米長期金利は一段と上昇する可能性があります。その場合、米ドルが堅調に推移し、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルには下落圧力が加わる可能性があります。米ドル/カナダドルは1.36014カナダドル(2/28高値)が目先の上値メドです。
※ユーロ/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/米ドル、上昇トレンド一服のシグナルが出現!]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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