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パウエルFRB議長が議会で証言、BOCの政策会合開催

2024/03/06 08:53

【ポイント】
FRBBOC(カナダ中銀)の金融政策見通しがどう変化するか

(欧米市場レビュー)

5日の欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。一時、米ドル/円は149.693円、ユーロ/円は162.539円、豪ドル/円は97.313円、NZドル/円は91.124円へと下落しました。米国株が軟調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)の動きが弱まったことが、円の支援材料となりました。米ドル/円については、米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことも、下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が本日、米下院金融サービス委員会で半年に一度の議会証言を行います(日本時間7日午前0時)。その内容が材料になりそうです。

市場では、FRBが6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は、3月19-20日のFOMCで3%、4月30日-5月1日までで21%程度、6月11-12日までで70%程度です。

パウエル議長の議会証言を受けて、市場の金融政策見通しがどのように変化するかに注目です。早期の利下げに慎重な姿勢が示されるなど議会証言が市場の利下げ観測を後退させるような内容になれば、米ドルが堅調に推移しそうです。その場合、米ドル/円には上昇圧力が加わり、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは下落圧力が加わると考えられます。米ドル/150.840(2/13高値)が目先の上値メドです。

***

本日、BOC(カナダ中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は日本時間午後11時45分に発表され、その45分後の7日午前0時30分からマックレム総裁が会見します。

BOCは、前回1月の会合まで4回連続で政策金利を5.00%に据え置きました。本日の会合でも政策金利を据え置くとみられ、その通りになればBOCの声明や総裁会見に注目です。

前回会合時は、声明で「(カナダ経済は)緩やかな供給過剰の状態にあるように見える」、「依然としてインフレ見通しに対するリスク、特に基調的なインフレの持続を懸念している」、「コアインフレのさらなる持続的な緩和を望んでいる」などとされました。また、マックレム総裁は会見で、「会合における議論の焦点は、“政策金利の水準が十分に(景気)抑制的かどうか(=追加利上げが必要かどうか)”ということから、“政策金利を現在の水準にどれくらいの期間、維持する必要があるか”へと移っている」としつつも、「利下げを議論するのは時期尚早だ」と述べました。

BOCは6月に利下げを行うとの見方が市場では有力です(本日と4月の会合では、政策金利の据え置きを予想)。声明や総裁会見が利下げ観測を強めるような内容になれば、カナダドルが軟調に推移しそうです。

※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、もう一段の上値トライとなるトリガーポイントは?]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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