米CPIは強め。利下げ観測は大きく後退
2024/02/14 07:57
【ポイント】
・米CPIはやや強め、FRBの利下げ観測が大きく後退
・米長期金利は昨年12月1日以来の4.32%、NYダウは500ドル超下落
・米ドル/円は一時150.840円をつけ、昨年11月以来の150円台。介入警戒感も
米国の1月CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回り、インフレが再加速する可能性を示しました。市場ではFRBの利下げ観測が大きく後退しました。
CPIを受けて米長期金利(10年物国債利回り)は上昇。長期金利は、ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価急落を受けて1月末に大きく下落しました。しかし、直後から2日の雇用統計、5日のISM非製造業景況指数を受けて「NYCBショック」前の水準に戻り、さらにCPIを受けて一時4.32%と、昨年12月1日以来の水準を示現。NYダウは前日終値比524ドル安で引けました。

13日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む3月19-20日のFOMCでの利下げ確率は7%。4月30日-5月1日のFOMCまでの利下げ確率は40%と昨年11月以降初めて50%を下回りました。13日時点の市場のメインシナリオ(確率50%超)は「6月に利下げを開始し、24年中に計4回の利下げ(4回目は確率6割弱)」になりました(以上、1回の利上げ幅を0.25%と想定)。
米ドル/円は一時150.840円をつけ、昨年11月17日以来となる150円台を示現。22年10月21日の高値(151.899円)も視野に入る展開となっており、150円台での滞空時間が長引けば、本邦当局による介入警戒感が高まるかもしれません。
*******
1月CPIは、総合が前年比3.1%と前月(3.4%)から伸びが鈍化したものの、市場予想(2.9%)を上回りました。食料とエネルギーを除くコアは前年比3.9%と前月と同じで、市場予想(3.7%)を上回りました。とりわけ、CPIコアの前月比は0.4%と、昨年5月以来の高い伸びとなりました。

また、CPIコアは3カ月前比年率でみれば、昨年8月の2.6%を底にジリジリと加速しています。3カ月前比年率は月々のブレが大きいので、もう少し観察が必要かもしれません。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているコアサービス(住居費を除く)は前年比4.4%と、こちらも昨年9月の3.7%から伸びが高まっています。インフレが再加速する可能性もあるため、雇用や賃金情勢になお一層注意する必要がありそうです。
・米CPIはやや強め、FRBの利下げ観測が大きく後退
・米長期金利は昨年12月1日以来の4.32%、NYダウは500ドル超下落
・米ドル/円は一時150.840円をつけ、昨年11月以来の150円台。介入警戒感も
米国の1月CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回り、インフレが再加速する可能性を示しました。市場ではFRBの利下げ観測が大きく後退しました。
CPIを受けて米長期金利(10年物国債利回り)は上昇。長期金利は、ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)の株価急落を受けて1月末に大きく下落しました。しかし、直後から2日の雇用統計、5日のISM非製造業景況指数を受けて「NYCBショック」前の水準に戻り、さらにCPIを受けて一時4.32%と、昨年12月1日以来の水準を示現。NYダウは前日終値比524ドル安で引けました。

13日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む3月19-20日のFOMCでの利下げ確率は7%。4月30日-5月1日のFOMCまでの利下げ確率は40%と昨年11月以降初めて50%を下回りました。13日時点の市場のメインシナリオ(確率50%超)は「6月に利下げを開始し、24年中に計4回の利下げ(4回目は確率6割弱)」になりました(以上、1回の利上げ幅を0.25%と想定)。
米ドル/円は一時150.840円をつけ、昨年11月17日以来となる150円台を示現。22年10月21日の高値(151.899円)も視野に入る展開となっており、150円台での滞空時間が長引けば、本邦当局による介入警戒感が高まるかもしれません。
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1月CPIは、総合が前年比3.1%と前月(3.4%)から伸びが鈍化したものの、市場予想(2.9%)を上回りました。食料とエネルギーを除くコアは前年比3.9%と前月と同じで、市場予想(3.7%)を上回りました。とりわけ、CPIコアの前月比は0.4%と、昨年5月以来の高い伸びとなりました。

また、CPIコアは3カ月前比年率でみれば、昨年8月の2.6%を底にジリジリと加速しています。3カ月前比年率は月々のブレが大きいので、もう少し観察が必要かもしれません。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているコアサービス(住居費を除く)は前年比4.4%と、こちらも昨年9月の3.7%から伸びが高まっています。インフレが再加速する可能性もあるため、雇用や賃金情勢になお一層注意する必要がありそうです。

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