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NZドルが堅調、豪ドル/NZドルは9カ月ぶりの安値

2024/02/12 08:33

【ポイント】
RBNZNZ中銀)の利上げ観測が市場で強まる
・インフレ期待調査やRBNZ総裁の講演で利上げ観測がどう変化するか
FOMCメンバーはFRBの金融政策について新たな手がかりを提供するか

(欧米市場レビュー)

9日の欧米時間の外為市場では、NZドルが堅調に推移。一時、NZドル/円は91.799円、NZドル/米ドルは0.61526米ドルへと上昇し、豪ドル/NZドルは1.05840NZドルへと下落。NZドル/円は15年4月以来、8年10カ月ぶりの高値を記録し、豪ドル/NZドルは23年5月以来、9カ月ぶりの安値をつけました。

ANZ(オーストラリア・ニュージーランド銀行)のエコノミストが「RBNZ(NZ中銀)は2月と4月に0.25%の利上げを行い、政策金利を6.00%にする(現在は5.50%)」との予想を示しました。これを受けて市場ではRBNZの利上げ観測が強まり、NZドルを押し上げました。RBNZの次回政策会合は2月28日、その次が4月10日です。

米ドルは弱含み。一時、米ドル/円は149.00円へと下落し、ユーロ/米ドルは1.07897ドル、英ポンド/米ドルは1.26372ドル、豪ドル/米ドルは0.65287米ドルへと上昇しました。米国の23年12月のCPI(消費者物価指数)で前月比の上昇率が0.3%から0.2%へと下方修正されたことが、米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は米国の主要な経済指標の発表はなく、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。米長期金利は9日に一時4.19%へと上昇し、1月25日以来、2週間ぶりの高い水準をつけました。米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルの支援材料となって、米ドル/円や米ドル/カナダドルは堅調に推移し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは軟調に推移しそう。米ドル/は、149.943(23/11/20高値)が上値メドです。

市場では、FRB (米連邦準備制度理事会)は次回3月19-20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で政策金利を据え置いて、その次の4月30-5月1日のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は3月が16%、5月が約6割です(2/9時点)。

ボウマン理事やバーキン・リッチモンド連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁の発言機会があります。ボウマン理事らFOMCメンバーがFRBの金融政策の先行きについて新たな手がかりを提供すれば、市場の利下げ観測が変化するとともに、米ドルが反応する可能性があります。

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市場では、RBNZが2月28日の政策会合で利上げを行うとの観測が強まっています。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によれば、市場が織り込む利上げの確率は4割強です(据え置きの確率は5割弱)です。

今週は、13日にRBNZ(NZ中銀)が調査した四半期のインフレ期待が発表され、16日にはオアRBNZ総裁がNZ経済フォーラムで講演する予定です。RBNZによると、オア総裁は「過去数年間のインフレ要因の変化や、一時的なインフレからより頑固な基調インフレへの移行」について講演するほか、「RBNZの今後1年間」についても話す予定とのこと。

インフレ期待調査の結果やオア総裁の発言によって市場の金融政策見通しがどのように変化するかに注目です。利上げ観測が後退する場合、NZドルが軟調に推移しそうです。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、一時昨年5月24日以来の安値を示現!今後の動向は?]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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