英ポンド:BOE会合に注目!
2024/02/01 09:02
【ポイント】
・BOE(英中銀)総裁の会見などで市場の金融政策見通しが変化するか
・ISM製造業景況指数を受けてFRBの利下げ観測が一段と後退するか
(欧米市場レビュー)
1月31日の欧米時間の外為市場では、米ドルが下落後に反発。米国の1月ADP雇用統計が前月比10.7万人増、1月シカゴ購買部協会景気指数は46.0と、いずれも市場予想(14.5万人増、48.0)を下回りました。これらの結果を受けて米ドルが売られ、一時、米ドル/円は146円ちょうど付近、米ドル/カナダドルは1.33カナダドル台半ばへと下落し、ユーロ/米ドルは1.08ドル台後半、豪ドル/米ドルは0.66米ドル台へと上昇しました。
その後、FOMC(米連邦公開市場委員会)の声明やパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見を受け、市場ではFRBの早期の利下げ観測が後退。米ドルは反発し、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下げ幅を、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上げ幅を縮小しました。
※FOMCの声明やパウエル議長の会見については、本日1日の『ファンダメ・ポイント』[FOMCは利下げモードにシフトも、3月はナシ!?]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、BOE(英中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は日本時間21時に発表され、21時30分からベイリーBOE総裁が会見する予定です。
BOEは23年9月・11月・12月の3会合連続で政策金利を5.25%に据え置きました。市場では、本日の会合でも政策金利は据え置かれるとの見方が大勢です。
ベイリー総裁の会見や本日の会合の議事録、四半期に一度公表される金融政策報告にも注目です。BOEは5月に利下げを行うとの観測が市場にはあります。ベイリー総裁の会見などを受け、市場の金融政策見通しがどのように変化するかに注目です。利下げ観測が後退する場合、英ポンドが堅調に推移して、英ポンド/米ドルや英ポンド/円は上昇し、一方でユーロ/英ポンドは下落しそう。ユーロ/英ポンドは、0.84925ポンド(23/8/23安値)を下回る可能性があります。
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米国の1月ISM製造業景況指数や前週分の新規失業保険申請件数が発表されます。ISM製造業景況指数の市場予想は47.0と、前月の47.4から低下して製造業業況判断の分かれ目である50を引き続き下回るとみられています。新規失業保険申請件数の市場予想は21.2万件と、前回の21.4万件から減少すると予想されています。
1月31日のFOMCの声明やパウエルFRB議長の会見を受けて、市場ではFRBの早期の利下げ観測が後退しました。ISM製造業景況指数や新規失業保険申請件数が市場予想より堅調な結果になれば、利下げ観測が一段と後退するとともに、米ドルが堅調に推移しそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、FOMC結果を受けて「下影陰線」を形成!足もと注目ポイントは?]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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NYコミュニティ・バンコープ(米国の地銀)の株価が1月31日に急落しました(37.7%下落)。23年10-12月期の決算が予想外の赤字だったことや、配当の引き下げが、株価下落の要因のようです。
金融不安が再び高まってリスクオフ(リスク回避)の動きにつながらないか、注意は必要かもしれません。
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