ECBのタカ派が吠えた!
2024/01/16 08:19
【ポイント】
・ホルツマン・オーストリア中銀総裁は市場の利下げ観測を強くけん制
・その他のECBメンバーも利下げに慎重、市場とのギャップがどう埋められるか
ECB理事会のメンバーから市場の利下げ観測をけん制する発言が相次いでいます。
最もタカ派の1人、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は15日に世界経済フォーラム(ダボス会議)でインタビューに応じて、「24年に利下げを想定すべきではない」と強い口調で語りました。ユーロ圏の景気低迷を認めたうえで、中東など地政学的な対立がエスカレートしてエネルギー市場やサプライチェーンを混乱させるリスクがあり、物価への圧力をECBは無視できないと付け加えました。
同じくタカ派のナーゲル・ドイツ連銀総裁もダボスで、利下げについての協議は時期尚早とする従来の見解を繰り返し、恐らく夏の休暇以降に検討するとの見通しを示しました。
また、中立~ややハト派寄りのチーフエコノミスト、レーン理事は12日の講演で、「今後入手するデータを注視するものの、利下げは近い将来のトピックではない」と述べました。
ラガルド総裁は11日のTVインタビューで、利下げの時期について「それを言えるのはインフレとの闘いに勝利した場合、ECBの予想通りに25年に2%に戻る場合、今後数カ月のデータでそれが確認される場合だ」と述べました。
ECBが11日に公表した経済見通しによれば、CPIは24年2.7%、25年2.1%、26年1.9%。コアCPIは24年2.7%、25年2.3%、26年2.1%。したがって、ECBの予想通りだとして、インフレ率が2%に回帰するのは25~26年のどこかということになりそうです。
15日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率は今年3月が28%、4月が106%。4月以降6回の理事会の全てで利下げが予想されています(ただし、12月の利下げ確率は72%)。
FRBなどのケースと同様に、利下げに慎重な中銀と前のめりに利下げを織り込む市場とのギャップがどのように埋められるのか、大いに注目でしょう。
・ホルツマン・オーストリア中銀総裁は市場の利下げ観測を強くけん制
・その他のECBメンバーも利下げに慎重、市場とのギャップがどう埋められるか
ECB理事会のメンバーから市場の利下げ観測をけん制する発言が相次いでいます。
最もタカ派の1人、ホルツマン・オーストリア中銀総裁は15日に世界経済フォーラム(ダボス会議)でインタビューに応じて、「24年に利下げを想定すべきではない」と強い口調で語りました。ユーロ圏の景気低迷を認めたうえで、中東など地政学的な対立がエスカレートしてエネルギー市場やサプライチェーンを混乱させるリスクがあり、物価への圧力をECBは無視できないと付け加えました。
同じくタカ派のナーゲル・ドイツ連銀総裁もダボスで、利下げについての協議は時期尚早とする従来の見解を繰り返し、恐らく夏の休暇以降に検討するとの見通しを示しました。
また、中立~ややハト派寄りのチーフエコノミスト、レーン理事は12日の講演で、「今後入手するデータを注視するものの、利下げは近い将来のトピックではない」と述べました。
ラガルド総裁は11日のTVインタビューで、利下げの時期について「それを言えるのはインフレとの闘いに勝利した場合、ECBの予想通りに25年に2%に戻る場合、今後数カ月のデータでそれが確認される場合だ」と述べました。
ECBが11日に公表した経済見通しによれば、CPIは24年2.7%、25年2.1%、26年1.9%。コアCPIは24年2.7%、25年2.3%、26年2.1%。したがって、ECBの予想通りだとして、インフレ率が2%に回帰するのは25~26年のどこかということになりそうです。
15日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む利下げ確率は今年3月が28%、4月が106%。4月以降6回の理事会の全てで利下げが予想されています(ただし、12月の利下げ確率は72%)。
FRBなどのケースと同様に、利下げに慎重な中銀と前のめりに利下げを織り込む市場とのギャップがどのように埋められるのか、大いに注目でしょう。
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