米大統領選挙ガイド2:トランプノミクス再び!?
2024/01/11 07:37
【ポイント】
・このまま行けばトランプ大統領誕生も⁉
・減税による財政赤字拡大や制裁関税による保護貿易化などが懸念される
・安全保障体制にも重大な影響が出そう
米大統領予備選が始まる前から、次期大統領候補は民主党がバイデン大統領、共和党がトランプ前大統領で決まりのようにみえます。そして、最近の世論調査は、11月5日の本選挙でトランプ氏が勝利するとの見方をサポートしているようです。
Real Clear Politicsによれば、20年の選挙でバイデン氏が勝利した6つの接戦州のうち5つでトランプ氏がリードしているようです(残り1つはタイ)。20年の選挙でバイデン氏を支持したヒスパニック系やアフリカ系の有権者の間でトランプ氏の支持が増えているとの報道もあります。
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現時点では選挙の行方はまだまだ不確実ですが、トランプ氏の経済政策を概観しておきましょう。トランプ氏の公式HPによれば、スローガンは8年前と同じ「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」です。そこで示されている政策は8年前の公約や大統領として実際に行った政策を踏襲しているようにみえます。以下は、選挙公約(Issues)の順で、そのうち経済や市場に関する主なものにコメントしました。
「歴史上最も偉大な経済を再建する」
柱は減税や米労働者の雇用増。17年に導入したトランプ減税のうち25年末に失効する所得税減税の恒久化が柱となるようです。イエレン財務長官は減税の恒久化は財政赤字を急激に拡大させると警告しています。
「米労働者にとって公正な貿易」
前回同様に貿易相手国に制裁関税を連発し、保護貿易主義に走りそうです。経済的に中国を締め出し、サプライチェーンの内製化を図る意向のようです。
「エネルギー支配からの解放」
環境保護よりもエネルギー開発を優先させる規制緩和を進めそうです。パリ協定からの離脱もありそう。
「国境を確固とし、国家の主権を取り戻す」
メキシコとの国境警備や移民規制を強化。「国境の壁」構築に予算を惜しまないかもしれません。
「麻薬カルテルとの戦い」
「犯罪の抑止と安全の復活」
「米国の強さとリーダーシップの刷新」
「力」に基づく平和を標ぼう。軍備を増強する意向。一方で、アフガンやイラクから米軍を撤退させるとのこと。あくまで「米国」や「米国民」の保護であって、同盟国やそれに類する国・地域への言及はありません。
「グローバル主義の拒絶と愛国心の保持」
ここでは「拒絶」という強い言葉を用いています。あくまで「大胆な外交」と「原理的なリアリズム」の結果として、中東和平や同盟国の国防支出の増大を実現したと成果を誇っています。国際的な枠組みの軽視は相変わらずですが、世界的に地政学リスクが高まるなか、上記「米国の強さ・・」と合わせて安全保障面での影響が強く懸念されます。
「退役軍人の待遇改善」
「親の権利の保護」
「法と自由の順守」
「検閲の廃止と言論の自由」
「自由、公正、法に則った選挙」
傍観者の筆者からすれば「おまいう」ですね。
「ワシントンの腐敗を一掃」
「低コストでより良いヘルスケアの選択提供」
・このまま行けばトランプ大統領誕生も⁉
・減税による財政赤字拡大や制裁関税による保護貿易化などが懸念される
・安全保障体制にも重大な影響が出そう
米大統領予備選が始まる前から、次期大統領候補は民主党がバイデン大統領、共和党がトランプ前大統領で決まりのようにみえます。そして、最近の世論調査は、11月5日の本選挙でトランプ氏が勝利するとの見方をサポートしているようです。
Real Clear Politicsによれば、20年の選挙でバイデン氏が勝利した6つの接戦州のうち5つでトランプ氏がリードしているようです(残り1つはタイ)。20年の選挙でバイデン氏を支持したヒスパニック系やアフリカ系の有権者の間でトランプ氏の支持が増えているとの報道もあります。
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現時点では選挙の行方はまだまだ不確実ですが、トランプ氏の経済政策を概観しておきましょう。トランプ氏の公式HPによれば、スローガンは8年前と同じ「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」です。そこで示されている政策は8年前の公約や大統領として実際に行った政策を踏襲しているようにみえます。以下は、選挙公約(Issues)の順で、そのうち経済や市場に関する主なものにコメントしました。
「歴史上最も偉大な経済を再建する」
柱は減税や米労働者の雇用増。17年に導入したトランプ減税のうち25年末に失効する所得税減税の恒久化が柱となるようです。イエレン財務長官は減税の恒久化は財政赤字を急激に拡大させると警告しています。
「米労働者にとって公正な貿易」
前回同様に貿易相手国に制裁関税を連発し、保護貿易主義に走りそうです。経済的に中国を締め出し、サプライチェーンの内製化を図る意向のようです。
「エネルギー支配からの解放」
環境保護よりもエネルギー開発を優先させる規制緩和を進めそうです。パリ協定からの離脱もありそう。
「国境を確固とし、国家の主権を取り戻す」
メキシコとの国境警備や移民規制を強化。「国境の壁」構築に予算を惜しまないかもしれません。
「麻薬カルテルとの戦い」
「犯罪の抑止と安全の復活」
「米国の強さとリーダーシップの刷新」
「力」に基づく平和を標ぼう。軍備を増強する意向。一方で、アフガンやイラクから米軍を撤退させるとのこと。あくまで「米国」や「米国民」の保護であって、同盟国やそれに類する国・地域への言及はありません。
「グローバル主義の拒絶と愛国心の保持」
ここでは「拒絶」という強い言葉を用いています。あくまで「大胆な外交」と「原理的なリアリズム」の結果として、中東和平や同盟国の国防支出の増大を実現したと成果を誇っています。国際的な枠組みの軽視は相変わらずですが、世界的に地政学リスクが高まるなか、上記「米国の強さ・・」と合わせて安全保障面での影響が強く懸念されます。
「退役軍人の待遇改善」
「親の権利の保護」
「法と自由の順守」
「検閲の廃止と言論の自由」
「自由、公正、法に則った選挙」
傍観者の筆者からすれば「おまいう」ですね。
「ワシントンの腐敗を一掃」
「低コストでより良いヘルスケアの選択提供」
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