米長期金利の動向、ECB副総裁やBOE総裁の発言に注目
2024/01/10 08:59
【ポイント】
・米CPIの発表を11日に控え、米長期金利はいったん低下するか
・ECB副総裁やBOE総裁の発言で市場の金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
9日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は144.577円、米ドル/カナダドルは1.34103カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.09094ドル、豪ドル/米ドルは0.67289米ドル、NZドル/米ドルは0.62224米ドルへと下落しました。特に目立った材料はなく、実需の米ドル買いが中心との見方があります。
メキシコの23年12月CPI(消費者物価指数)が発表され、強弱マチマチの結果でした。CPIの結果は総合指数が前年比4.66%、コア指数が同5.09%。市場予想は総合指数が4.55%、コア指数が5.15%でした。
(本日の相場見通し)
本日は、日本・米国・ユーロ圏・英国の主要な経済指標の発表はありません。米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に注目です。
米国の12月CPIの発表を明日11日に控えていることから、米債券市場ではポジション調整の動きが出やすいかもしれません。その場合、このところ上昇傾向だった米長期金利は、いったん低下する可能性があります。米長期金利が低下すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルは上値を試す展開になりそうです。米ドル/円は、200日移動平均線(1/10時点で143.425円)が目先の下値メドです。
※米ドル/カナダドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ドルカナダ、上値の重い相場付きが継続しそう]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
デギンドスECB(欧州中銀)副総裁が本日講演する予定です。市場では、ECBが3月か4月に利下げを行うとの観測があります。デギンドス副総裁の講演でECBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりが提供されれば、ユーロが反応しそうです。利下げ観測が後退する場合、ユーロの支援材料になる可能性があります。
本日はまた、ベイリーBOE(英中銀)総裁が議会で証言します。市場では、BOEが5月に利下げを行うとの観測があります(2月1日と3月21日の会合は政策金利の据え置きを予想)。ベイリー総裁の証言を受けてBOEの利下げ観測が後退する場合、英ポンドが堅調に推移しそうです。
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