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メキシコペソ:メキシコCPIが材料になりそう

2024/01/09 08:43

【ポイント】
・米国の長期金利の動向に注目。米長期金利の上昇は米ドルにとってプラス
・メキシコCPIでBOMの利下げ観測が後退するか

(欧米市場レビュー)

8日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は143.647円、米ドル/カナダドルは1.33403カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.09733ドル、豪ドル/米ドルは0.67309米ドル、NZドル/米ドルは0.62596米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)の低下や、NY連銀が発表した米国の23年12月の消費者期待調査が、米ドルへの下押し圧力となりました。消費者期待調査では、1年後のインフレ期待が11月の3.4%から3.0%へと低下し、21年1月以来の低水準を記録しました。

※消費者期待調査について詳しくは、本日9日の『ファンダメ・ポイント』[米消費者のインフレ期待が低下・・・]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向に引き続き注目です。米長期金利は8日に低下したものの、23年12月27日につけた3.78%を直近の底にして上昇傾向にあります。足もとの長期金利上昇の主な要因として、FRB(米連邦準備理事会)の利下げ観測の後退が挙げられます。

米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が加わり、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルには下落圧力が加わると考えられます。

***

メキシコの23年12月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間21:00)。物価の動向は金融政策運営に影響するため注目です。

BOMは、前回23年12月まで6会合連続で政策金利を11.25%に据え置いており、前回会合時の声明では「政策金利はしばらくの間、現行水準に維持する必要がある」と表明しました。

ロドリゲス総裁やヒース副総裁らBOMの政策メンバーは次の一手が利下げになる可能性を示しており、気の早い市場では3月に利下げが行われるとの見方もあります(次回2月8日の会合は政策金利の据え置きを市場は予想)。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比4.55%、変動の大きい食品やエネルギーを除いたコア指数が同5.15%。BOMのインフレ目標である3%(2~4%が許容レンジ)を引き続き上回るとみられています。

CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOMの利下げ観測が後退するとともに、メキシコペソが堅調に推移しそうです。

※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、遅行スパンの“好転”となるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

メキシコのCPI(前年比)

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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