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ADP雇用統計や新規失業保険申請件数に注目、米ドルが反応しそう

2024/01/04 08:47

【ポイント】
・米経済指標で米金融政策見通しが変化するか
・ドイツCPIECBの利下げ観測が強まるか

(欧米市場レビュー)

3日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は143.693円、米ドル/カナダドルは1.33672カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08921ドル、豪ドル/米ドルは0.66997米ドルへと下落しました。バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演で「追加利上げの可能性は残されている」と述べ、市場の利下げ観測をけん制したことが、米ドルの支援材料となりました。

FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表されました。※FOMC議事録については、本日4日の『ファンダメ・ポイント』[FOMC議事録:利下げ観測けん制も市場は反応薄!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の23年12月ADP雇用統計先週分の新規失業保険申請件数が発表されます。これらの結果が材料になりそうです。

市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・ADP雇用統計:前月比11.5万人増(10.3万人増)
・新規失業保険申請件数:21.6万件(21.8万件)

バーキン・リッチモンド連銀総裁は市場の利下げ観測をけん制したものの、市場では依然としてFRB(米連邦準備制度理事会)は3月に利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによれば、市場が織り込む利下げの確率は次回1月30-31日のFOMCで9.3%、その次の3月19-20日まででは約7割へと上昇します。

ADP雇用統計や新規失業保険申請件数が市場予想よりも弱い結果になれば、FRBの利下げ観測が市場で強まる可能性があります。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しそうです。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、足もとでは一旦の戻りフローに]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

ドイツの12月CPI(消費者物価指数)速報値が本日発表されます。市場では、ECB(欧州中銀)は3月に利下げを行うとの観測があります(次回1月25日の理事会は据え置きを予想)。

CPIの市場予想は、EU(欧州連合基準)が前年比3.8%、国内基準が同3.7%です。市場予想を下回る結果になれば、ECBの利下げ観測が市場で強まるとともに、ユーロが軟調に推移しそうです。ユーロ/英ポンドは、0.85494ポンド(23/12/11安値)が下値メドです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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