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FOMC議事録:利下げ観測けん制も市場は反応薄!?

2024/01/04 07:58

【ポイント】
・議事録は24年中の利下げを予想するも、市場の早急な利下げ観測をけん制か
・市場が織り込む3月利下げ確率は77%、やや低下も引き続きメインシナリオ
・長期金利は経済指標を受けて低下、議事録には反応薄!?

FOMC議事録(12/12-13開催分)は、市場の期待に比べてややタカ派的。24年末までに利下げを予想するドット・プロットを追認する一方で、利下げを急ぐ気配はほとんどなく、市場で高まった利下げ観測をけん制する内容でした。ただ、政策金利のピークアウト感が強まったこと、QT(量的引き締め)の縮小方法を議論すべきとの提案もあったことなどから、市場の反応は限定的でした。

3日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む3月20日のFOMCでの利下げ確率は77%。昨年12月29日時点では97%だったので、利下げ観測はやや後退しましたが、依然として3月利下げ開始が市場のメインシナリオ。24年中に計1.50%(≒0.25%×6回)の利下げとの観測もあまり変化しませんでした。

昨年末に一時3.80%割れとなった米長期金利(10年物国債利回り)は、年明け2日に上昇して始まり、3日には一時4.01%をつけました。ただ、その後はISM製造業景況指数やJOLT(労働動態調査)を受けて低下し、FOMC議事録公表後も3.90%近辺で推移しました。米ドル/円は3日に一時143円台後半を示現した後にやや軟化しましたが、それでも143円台をキープしました。

米ドル/円が比較的堅調に推移しているのは、能登半島地震を受けて日銀の早期利上げ観測がやや後退しているからかもしれません。

米長期金利

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FOMC議事録で注目されたのは以下のポイントです。

金融政策の先行きについて
FOMC参加者は、景気が減速しており、インフレの鈍化が認められるとして、政策金利が今回の利上げサイクルのピークかその近辺にある(≒利上げ終了)と判断していました。過去の利上げが意図した効果を生み出しているとの指摘もありました。

ほぼ全ての参加者は、24年末までに政策金利の水準が低下していることが適切だと考えました。ただし、通常以上に見通しの不確実性が大きく、追加利上げが適切となるような状況に発展する可能性はあると認めていました。また、状況によっては現在の想定以上に長く政策金利の水準を維持する必要が出てくるとの指摘もありました。

そして、参加者は、政策決定が今後のデータ次第であることを強調しつつ、インフレが2%の目標に向かって大幅に鈍化するまでは抑制的な政策を一定期間維持することが適切だと改めて確認しました。

先行きに関するリスクについて
FOMC参加者は、インフレの上方リスクは減少したとみていました。ただ、インフレは目標を大きく上回っており、物価安定に向けた進捗が止まるリスクがあることを認識していました。

一方で、多くの参加者は、抑制的な政策をどれだけ長く続けるかが不透明なために、過度に抑制的な政策が景気の下方リスクを伴うことを指摘しました。

QT(量的引き締め)について
QTの縮小や終了について、その時に備えて十分に前もって市場に周知するため、QT縮小を進めるための技術的なガイドラインに関する議論を始めるべきと数人の参加者が提案しました。

長期金利について
前回のFOMC(10/31-11/1開催)以降に長期金利が大幅に低下したことについて、スタッフは、インフレ圧力が低下し、政策金利がピークに達したとの観測がFOMC関係者のコメントにより強化されたことが背景と分析。長期金利が5.00%近辺から4.00%近くまで低下したうち、3分の1は利上げ観測の後退、残り3分の2はタームプレミアム(◆キーワード)の低下に起因すると解説しました。

◆キーワード
タームプレミアム:
資金を、長期間固定することで生じるリスクを埋め合わせるための上乗せ金利のこと。タームプレミアムの低下は、インフレ期待の低下や財政収支(≒国債発行額)見通しの改善などが背景。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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