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米長期金利から考える米ドル/円(新しい推計式)

2023/12/26 08:27

【ポイント】
・11月以降の米ドル/円と米長期金利はほぼ完全な正の相関
・米長期金利4.00%なら米ドル/円の推計値は144円、3.65%なら140円
・日銀がYCCを修正するまで両者の関係が続くかも

米ドル/円と米長期金利(10年物国債利回り)との強い相関が続いています。10月には米長期金利が5%まで上昇するなか、米ドル/円は本邦当局による円買い介入への警戒感から150円を超えて大きく上昇することはできませんでした。しかし、11月以降は強い相関が戻っています。11月1日-12月22日までの米ドル/円と米長期金利(Bloombergデータ、いずれも終値ベース、以下同じ)の相関は0.95とほぼ完全な正の相関です。

米ドル円と長期金利

これまでは4月1日-9月29日の期間の回帰分析によって米ドル/円の推計式を求めていましたが、以下では11月1日-12月22日の期間で新たに回帰分析を行いました。結果は・・・

  推計式:<米ドル/円>=97.68+11.58*<米長期金利>
   推計期間:23.11.1-12.22 決定係数R2=0.90

この推計式に基づけば、12月22日の長期金利3.895%から求められる米ドル/円の推計値は142.78円で、実勢値である142.41円との誤差は0.26%でした。

米ドル円の推計

同じ推計式を用いれば、米長期金利が4.00%で米ドル/円の推計値は144.00円、3.65%で140.00円、2.79%で130.00円です。

日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)を修正・撤廃して、日本の長期金利が大きく変動するならば、日米金利差の変化を通じて米ドル/円に影響を与えそうです。ただ、当面は米ドル/円と米長期金利の上記の相関が続くかもしれません。

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西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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