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【PM】サプライズのNZ中銀会合、NZドルが急伸

2023/11/29 14:26

【ポイント】
・RBNZ(NZ中銀)は追加利上げが必要になる可能性に言及
・RBNZは政策金利見通しを8月時点から上方修正

RBNZは本日政策会合を開き、政策金利を5.50%に据え置くことを決定しました。据え置きは4会合連続です。

今回はタカ派的な据え置きと言えそうです。

RBNZは声明で、「(NZの)インフレ率は依然として高すぎ、継続的なインフレ圧力を引き続き警戒している」と表明。また、「現在の政策金利の水準(5.50%)が需要を抑制していると確信している」としつつも、「高水準のコアインフレ率を踏まえると、過剰な需要やインフレ圧力が続くことが懸念される」と指摘。「インフレ圧力が想定以上に強まれば、追加利上げが必要となる可能性が高い」としました。

RBNZは四半期に一度の政策金利見通しを公表。政策金利のピーク水準の見通しが8月時点の5.59%から5.69%へと上方修正され、1四半期後ズレしました。同様に政策金利が5.50%(現在の水準)を下回る時期の見通しも、8月時点の25年1-3月期から同4-6月期へと1四半期後ズレしました。

RBNZの政策金利見通し

オアRBNZ総裁は会合後の会見で、「(RBNZの)見通しでは政策金利に上方バイアスが示されているが、確定事項ではない」と述べました。その一方で、「インフレ率が長期間にわたって目標レンジ(1~3%)を上回り続けていることを懸念している」「長期インフレ期待の上昇を懸念している」とし、「本日の会合では、利上げについて議論した」と語りました。オア総裁はまた、「RBNZは政策会合の日程に縛られることなく、必要な場合には行動することが可能だ」としつつも、「現時点では、次回24年2月の政策会合まで待つのが心地よい」と述べました。

RBNZの声明や政策金利見通しは市場にとってサプライズであり、政策会合の結果発表後にNZドルが急伸。一時、NZドル/円は15年4月以来、NZドル/米ドルは8月1日以来の高値をつけ、豪ドル/NZドルは10月17日以来の安値をつけました。

■RBNZ(NZ中銀)会合の詳細およびNZドルの見通しについては、本日(29日)収録の『資源・新興国マーケットView』をご覧ください。※29日(水)夕刻に更新予定です。
八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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