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米長期金利が一時2カ月ぶり低水準、米ドルは軟調に推移するか

2023/11/20 09:00

【ポイント】
・米長期金利が一段と低下すれば、米ドルが軟調に推移しそう
・メキシコ中銀の総裁と副総裁が利下げの可能性に言及
・23日のメキシコのCPIで利下げ観測が高まるか

(欧米市場レビュー)

17日の欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は149.191円、米ドル/カナダドルは1.37075カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.09079ドル、英ポンド/米ドルは1.24591ドル、豪ドル/米ドルは0.65114米ドルへと上昇しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下したことが、米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

米国の長期金利は17日に一時4.37%へと低下し、約2カ月ぶりの低い水準を記録。FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が米長期金利の下押し圧力となりました。CMEのFedWatchツールによれば、市場は24年3月までに利下げが行われる確率を3割程度織り込んでいます。

本日は、米長期金利の動向が材料になりそうです。米長期金利が一段と低下すれば、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上昇すると考えられます。米ドル/は、148.792(10/30安値)が下値メドです。

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BOM(メキシコ中銀)のロドリゲス総裁とヒース副総裁は先週、利下げの可能性に言及しました。

ロドリゲス総裁は13日、「インフレ見通しの改善によって、(BOMは)今後の会合で利下げの議論を開始する可能性がある」と述べました。ロドリゲス総裁はまた、「年内に利下げを行うことは予想していない」とし、「利下げは緩やかなものとなり、必ずしも継続的な利下げサイクルを意味するものではない」と語りました。

ヒース副総裁は17日、「24年2月か3月から、1~3回利下げする可能性がある」と述べました。ヒース副総裁は一方で、「インフレ率が目標に近づくほど、インフレ率を低下させるのは、より困難になるだろう」と指摘。「利下げは極めて慎重に行う必要があり、最大でも(1回あたり)0.25%にするべきだ」と語りました。

BOMは21年6月から23年3月にかけて合計7.25%の利上げを実施。23年3月以降は5会合連続で政策金利を据え置いており、現在の政策金利は11.25%です。次回の政策会合は12月14日です。

メキシコの11月前半のCPIが23日に発表されます。11月前半のCPIが市場予想の前年比4.35%を下回る結果になれば、BOMの利下げ観測が高まるとともに、メキシコペソの上値を抑える要因になる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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